remember 8 ページ10
草薙が店を閉め、キッチンカー内の大きなモニターを操作していつも通り情報を探れば、遊作もそれを手伝う。Play makerの目撃情報のコメントを消しながら、遊作がふと思い出したことを呟いた。
｢そういや、ジャービスが草薙さんのホットドッグを食べてみたいって。カメラに映るあんたの客はいつも幸せそうだって言ってた｣
｢へぇ〜そりゃあ嬉しい！遊作、ジャービスと雑談するほど仲良かったんだな｣
｢いや、そういう訳では…｣
｢あいつは正体不明のウィザード級のハッカーだ。ネット上でもジャービスが誰なのか、何者なのかハンターやSOL、ハノイまでもがあいつの正体を探ってる｣
姿の無い人気者、いるのにいない有名人。
草薙がジャービスのネットで呼ばれている呼称を言うと、遊作はへぇと興味を示した。ウィザード級、自分達が追っているハノイの騎士のリーダー、リボルバーもまたそう呼ばれる凄腕のハッカーだった。遊作は、いつも茶化して自分を惑わす奴の凄さを改めて聞き不機嫌そうに顔を逸らす。自分のことは全て知っているくせに、自身のことは全く教えようとはしない。姿の無い人気者だと言う他大勢の人間と同じことしか分からないのだ。そんな歯痒さを忘れようと作業に集中すると、パネルに一通のメッセージが映し出された。
『僕の話？』
それは今話していた通りの人物、ジャービスからのメッセージで草薙は相変わらず耳が良いと苦笑をこぼした。この街のカメラ、ネットワークから声や姿を全て見ているジャービスにとって二人の会話を聞くのは造作もない事だ。
｢俺はお前のことは何も知らない、不公平だ…｣
遊作が拗ねたように口をつく。それに草薙が意外そうな顔をした。メッセージを送らずとも、声を聞いたジャービスが画面に返事を映す。
『拗ねてるのかい？案外可愛い部分もあるんだね』
｢うるさい｣
『あはは、じゃあ遊作。君に一つだけ僕のことを教えてあげよう。何がいい？』
草薙が、え！？と驚いた声を上げる。ジャービスが自分の素性を教える、それはとても珍しいことだ。ばっ、と遊作の方を振り返れば、遊作は聞きたいことを声に出す。
｢……あんたの今日食べたもの｣
茶化さずともギリギリ答えてくれそうな範囲。遊作が絞り出して、声にすると草薙が何故そんなこと、と怪訝そうな顔をした。
『痛いとこを突かれたな、今日は……』
ジャービスの答えに二人が驚愕する。顔を見合わせた後の画面に、ジャービスのログは無かった。
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暁(プロフ) - とても面白いです!!次の更新楽しみにしています!! (2019年10月8日 12時) (
レス) id: dd077ce83e (このIDを非表示/違反報告)
はな - 続き読みたいです！面白かったです (2019年4月16日 1時) (レス) id: 87d0cab806 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！頑張れ〜恋愛一年生、遊作！ (2019年4月6日 21時) (レス) id: c6a15fa920 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» コメントありがとうございます。お返事が遅れてしまい申し訳ありません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます、ご期待に添えるよう更新頑張ります。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - とても面白いです更新頑張ってください！ (2018年7月3日 22時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅりんぷ | 作成日時：2017年9月22日 17時
