remember 6 ページ8
ちょっとした雑談を繰り広げたあの日以来。遊作はジャービスと他愛もない話をすることが多くなった。自室でメッセージを打つ遊作が、画面を見つめればジャービスからの返事が来た。
『あんたは女なのか？男なのか？』
『うーん、どっちだと思う？』
『検討もつかない。あんたのことをもう少し聞かなければ、分からないだろう』
『じゃあ、当ててみなよ』
どうせ、答える気もない癖に。遊作がジャービスの返信に頭を悩ませれば、きっと奥で笑っているのだろうそいつが浮かぶ。自分の力量不足が歯痒く、遊作は返信に時間をかけた。
『じゃあ、どうして俺に協力する』
『うーん、それは前にも言ったなぁ。よっぽど、納得がいかないようだね？悩むなら信用しなくてもいいよ』
『あんたの情報が今まで裏切ったことは無い。その正確さは俺も買っている』
『わぁ、それは嬉しい。でも、どうかな？僕はもしかしたら悪いギークやクラッカーかもしれないよ？』
『それなら厄介だな。だが、今までそれらしい行動は見たことがない』
遊作が冷淡に返事をすると、ジャービスはつまらなさそうに、確かにそんなことはしないと秒で返す。自分の熱狂的なファン。遊作は信頼しきっているジャービスの腕に、誰か覚えはなく、周りやジャービスの消したログからデータを追跡したりと色々手を出したがどれも全敗。ジャービスにたどり着くことはなかった。
『ところで、僕は興味があるものがあるんだ』
『何だ、言ってみろ』
『草薙のホットドッグ。あれ、いつも美味しそうだよね。街のカメラから彼の客を見てるけど、いつも幸せそうに食べてる』
遊作が意外そうに声を上げると、どこから見ているのかは知らないがジャービスから少し怒ったような返事が届く。珍しいこともあるものだと遊作は草薙のホットドッグは美味しい事を伝えた。
『今日も昼に食べた』
『見てたよ、羨ましいなぁ。でも僕が行ったらキミ達に勘づかれてしまうかもしれないし』
『少しくらいは俺らにヒントを寄越してもいいだろ、今のところ何一つお前の情報がない』
遊作の言葉に、ジャービスから気が向いたらねとだけ返ってくると、そこにログは消えてなくなった。どうやら、ログアウトしたらしい。遊作はPCから手を離し椅子の背もたれに体重をかける。
いつも客が幸せそうにしている、草薙がそれを聞けば喜ぶだろう。
遊作は明日草薙さんに伝えようと、PCの電源を落とした。
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暁(プロフ) - とても面白いです!!次の更新楽しみにしています!! (2019年10月8日 12時) (
レス) id: dd077ce83e (このIDを非表示/違反報告)
はな - 続き読みたいです！面白かったです (2019年4月16日 1時) (レス) id: 87d0cab806 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！頑張れ〜恋愛一年生、遊作！ (2019年4月6日 21時) (レス) id: c6a15fa920 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» コメントありがとうございます。お返事が遅れてしまい申し訳ありません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます、ご期待に添えるよう更新頑張ります。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - とても面白いです更新頑張ってください！ (2018年7月3日 22時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅりんぷ | 作成日時：2017年9月22日 17時
