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remember 4 ページ6

教師がカツカツとチョークを鳴らして、数式を書く。遊作はそれをぼんやりと見つめて不意に気になることを思い出した。

それはジャービスと呼ばれるアカウントの事。自分のパトロンを名乗るそいつは、Play makerが遊作だという事実を知って、それを何かのネタとして使うわけでもなく、ただ無償で自分に情報を与えてくる。最初は気味の悪いと思っていたそれが、今は慣れすぎてしまっていて…。遊作はジャービスとのメッセージを開いて、キーボードを打った。

『あんたは俺に何を求めている』

何気なく気になった質問をぶつければ、返事はすぐに返ってきた。返ってきたメッセージを読んで遊作はぼんやりと教師の話を聞き流す。

『質問の意図がわからないなぁ』

ジャービスの茶化すような言葉に若干腹を立てながら、返信すればそれにジャービスからも返事が来る。二人がこんな風に雑談のようなやり取りをするのは初めてだった。

『誤魔化すな、俺の正体を知っていて見返りを求めるわけでもなく協力する意図を教えろ』

『随分今更だね。そうだなぁ、君の未来への投資?みたいなものさ。僕は君のファンだから、『あしながおじさん』をしているだけ。見返りはいらないよ』

『余計に怪しい』

『そうかい、信じないならそれでいいさ。それより、君。授業はきちんと聞いた方がいいんじゃないか?』

返ってきたメッセージに遊作は、はてなマークを浮かべる。授業は後半に差し掛かっていて、教師がクラスメイトを当て、前の黒板に文字を書かせたり、答案を答えさせたりしている。

『どうやら次に当てられるみたいだよ。出席番号順に教師は当てているみたいだからね』

『どこから見ている』

『どこからだと思う?それより、君は授業の内容を理解してる?わかりません、じゃ悪目立ちするよ』

ジャービスが答えをはぐらかし、彼が答えなきゃいけないだろう数字の答案を遊作に送る。タイミング良く、教師に呼ばれた遊作が立ち上がり、送られてきたそれを読みあげれば教師が正解と一言。彼を座らせた。話を聞いていなかった遊作はジャービスに感謝を述べる文字を打つ。

授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り、教師が出ていくと教室をざわつき始める。遊作はジャービスにメッセージの返信をしようと会話のログを辿るが、既に消去された後で、ジャービスのログインを表す文字はなかった。

相変わらず抜かりがない。ジャービスの正体が余計に分からなくなった遊作がため息をついた。

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設定タグ:遊戯王 , 遊戯王VRAINS , 藤木遊作   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - とても面白いです!!次の更新楽しみにしています!! (2019年10月8日 12時) (レス) id: dd077ce83e (このIDを非表示/違反報告)
はな - 続き読みたいです!面白かったです (2019年4月16日 1時) (レス) id: 87d0cab806 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張れ〜恋愛一年生、遊作! (2019年4月6日 21時) (レス) id: c6a15fa920 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» コメントありがとうございます。お返事が遅れてしまい申し訳ありません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます、ご期待に添えるよう更新頑張ります。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - とても面白いです更新頑張ってください! (2018年7月3日 22時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年9月22日 17時

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