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remember 14 ページ16

Aは家に帰り、カバンを無造作にソファーに置くと自室のPCの前へと座り込む。学校や風呂。就寝などの、どうしてもそこに居られない時間以外の全てをAはそこで座って過ごしていた。もう少し前は生活リズムが狂っていた時を過ごしていたが今は学校という存在のせいで、それなりの生活をしている。

誰もいない部屋。一人で暮らすには大きすぎる家を両親はお金と一緒に残して死んだ。二人の物が残ったこの部屋でAは幾度と無く泣いたが、今はどうでもいい話。両親が死んだのは10年も前のことだ。

「……リボルバー、あいつは私に少しずつ気づき始めてる」

Aが思ったことを口にして、一人ため息をつく。同じウィザード級と呼ばれるハッカー。彼の素性は何一つ知らないが、このネットという広い虚構世界での彼の事はお互い、兄弟よりも分かりきっている。それこそ、自分の作るプログラムの癖までも。

『ハノイプロジェクト』、そう呼ばれた実験に藤木遊作が大きく関わっていた事は出会った時に調べあげた。Aの研究者だった両親、二人もまたそれらに関わり、何者かに殺されている。『ハノイプロジェクト』、隠蔽されたそれが何かはAも分かっていない。ただ、SOLのマザーバンクに忍び込んだ時にほんの少しだけ情報を垣間見た。

『リボルバー、僕は君があの事件の加害者だとは思ってるが容疑者だとは推測してないんだ…僕は……』

昔に送ったログの一部。Aがこっそり保存していたそれを一瞥してすぐに閉じる。Play makerと完全な共同歩調を取らないのは今のログが原因だ。Aはリボルバーに絶対的な敵視をおいていないのだ。

イグニスと呼ばれる人工知能を持ち、サイバース族を手にした彼は、あちら側の排除対象となり得た。パトロンである以上、彼側になるべく協力はする。ただ、あくまでもAはパトロン。真実を見つけて、そこから足掻くのは全て彼らの物語だ。

Aは両親が死んだ理由は知らない。けれど、興味はほんの少しだけある。彼について行って、何かを知れるなら悪くは無い事だった。それに付いてくる、人工知能が持つ世界についても。

ハッカーという生き物は知識に貪欲なのだ。知らないことは全部知りたい。

彼に手を貸したのは本当に気まぐれ。彼がここまで出来る人物だとは思っていなかったから。Aはモニターに映るこの街を見つめて一つ、欠伸をした。

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設定タグ:遊戯王 , 遊戯王VRAINS , 藤木遊作   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - とても面白いです!!次の更新楽しみにしています!! (2019年10月8日 12時) (レス) id: dd077ce83e (このIDを非表示/違反報告)
はな - 続き読みたいです!面白かったです (2019年4月16日 1時) (レス) id: 87d0cab806 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!頑張れ〜恋愛一年生、遊作! (2019年4月6日 21時) (レス) id: c6a15fa920 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» コメントありがとうございます。お返事が遅れてしまい申し訳ありません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます、ご期待に添えるよう更新頑張ります。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - とても面白いです更新頑張ってください! (2018年7月3日 22時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年9月22日 17時

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