け い び い ん さ ん

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神「……なぁ、しげ？A？…教えてくれや。」



大毅さんが駆けつけてもなお
フェンスの上で足をブラブラさせ
夜空を見上げている神ちゃん。







神「こんな俺の人生なんか……生きる意味、あったんかな？」



そう言って
神ちゃんは
うっすらと目に涙をにじませ
苦しそうに話す。







重「………っ。」



『神ちゃん……。』







今の私に
神ちゃんの全てを
知ることはできない。







神ちゃんの苦悩だって
私には分からない。







それに
神ちゃんの人生に影を落としたのは
私自身だったのかもしれない。







重「……Aっ！！」







だけどね、神ちゃん？







ひとつだけ…



言えることがあるんだよ。







神「……っ！？」







『神ちゃん……生きて？』







私は、気づけば
フェンスの上から
神ちゃんを引きずり下ろし
その体を
ギュッと抱きしめていた。







『神ちゃん、お願い。……私は、神ちゃんに生きていて欲しい。』







神「……っ、A。俺っ、俺っ……生き…た…いっ。」



すると
神ちゃんは
張り詰めていた糸が
プツッと切れたみたいに
声を出して泣いた。



そんな神ちゃんを
私はただただ
力強く抱きしめ
サラサラな髪をそっとなでた。







神「……っ、しげ？



………幸せにしてやってな？」







重「神ちゃん……今までほんまに、ごめんな？そんで……ありがとう。」




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