け い び い ん さ ん

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「やーかーらー、口に何かついてんで？笑」



そう言って
大毅さんが
ポケットから取り出したティッシュで
私の口元を不器用な手つきで拭いた。



「……ほれ。茶色いのついてた。」



………あ、

さっき食べたオムライスのソース……。



『えっ？！……えっ！！わ、私ってば……恥ずかしっ。』



そのまま
店から屋上まで
とんでもない顔で猛ダッシュしたかと思うと
恥ずかしくてたまらなくなった私は
うつむきながら
口をグシグシと乱暴に拭った。







「お昼、何食うてきたん？笑」



『………オムライス…です。』



そんな私を尻目に
大毅さんが
からかうようにして笑う。



そんな大毅さんの隣で
恥ずかしさと
大毅さんに口を拭かれたドキドキで
顔が真っ赤になっているのが
自分でも分かった。







「………アホやな、自分。笑」



『…ちょ、ヒドっ！！………どうせ、私はアホですよぉ〜っだ。』



「……鼻くそくっついつんで？笑」



『えっ？！えっ？！…ウソっ！！どこっ？！』



そうやって
大毅さんが
私の顔を指差すもんだから
慌てて顔中を触りながら確認する私。







「うっそーっ。笑」



『はっ？！……はぁ〜っ？！』



「ほんまおもろいな、自分。笑」







………どうしてかな？







からかわれているのに
私ってば、








ドキドキしてる………。




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