け い び い ん さ ん

＿＿２３ ページ23

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『……っ、ハァハァっ。……っ、ハァハァっ。』







私は
足がつりそうなぐらい全力で
屋上へと続く階段を駆け上がった。







お昼休みが終わるまで
あと……１０分。







『……っ、ハァハァ……っ。』







「……あっ！！」



息を切らしながら
屋上の扉を思い切り開けば
ベンチに座る大毅さんがこちらに気づき
歯を見せながら
ニッコリ笑ってくれた。







『……っ、ごめんなさいっ！！』



ガクガクな膝を押さえながら
滑り込むようにして屋上へ着くと…



「もう、来ないかと思いました。笑」



……イタズラに大毅さんが笑う。







『ほんっっっとーにっ、ごめんなさいっ！！』







「大丈夫です。気にせんとってください。」



大毅さんに駆け寄って
深々と頭を下げると
ベンチに座る大毅さんが
隣をポンポンと叩きながら
私に座るように促す。







『……すみません、おじゃまします。』



少し遠慮がちに
大毅さんの隣に座ると
ニッと、キレイな歯を見せて
満足そうに笑う大毅さん。







『……。』



「………。」







………隣に座ったものの
何を話すわけでもなく
私の隣で
ただただニコニコ笑う大毅さん。







『……あ、あのっ

「ついてますよ。」



無言が怖くなって
無理矢理話題を作ろうかな、と
私が口を開くと
それを遮るように
大毅さんが話し始めた。







『えっ？』



「口に、ケチャップ？…ついてます。笑」







『………は、はいっ？』




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