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『なんだか、スッキリしました。』
「そんなことで死ぬことない」と言ってくれた
彼の声があまりにも力強くて
ギュッと苦しかった私の胸は
ゆっくりと安心して呼吸しているように思えた。
『そのときの女性は、警備員さんが止めたから、飛び降りなかったんですね。』
ちょっと嬉しくなって
手を後ろで組みながら
彼に背を向けてそんなことを言えば……
「………その女性はね。」
暗い顔をした警備員さんが
目線を落として、そう呟いた。
『……女性は?』
私と警備員さんとの間に
どれくらいの時間が流れたか分からない。
だけど
なんだか、とても……
とってもとっても長い時間が
過ぎているような気がして
私の体は自然とこわばって
小さく震えていた。
「女性は落ちなかったんですけど、そのとき必死に止めていた僕と…
………それをかばった、もう1人の女性が…落ちちゃったんです。」
その瞬間、警備員さんの瞳から
涙がツーっと流れた気がした。
「………その女性、僕の婚約者やったんです。」
ジリジリと暑く
太陽に照らされた彼の顔は
たくさんの汗が流れていて
キレイな瞳から流れているそれが
涙なのかを確かめる方法は無いまま
ただただ、私たち2人の間には
時間だけが過ぎて行くだけだった。
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さと(プロフ) - 雪 海さん» 私作者じゃ無いんですけど、最後って言うのが小瀧君と胡桃さんの所何だったら、小瀧君と胡桃さんは結婚する事になったという事だと思います! (2018年2月22日 16時) (レス) id: 9742626405 (このIDを非表示/違反報告)
雪 海 - 最後ってどうゆう事ですか、、、?読解力無いためわからなくて、、、。すみませんお時間があれば教えて頂きたいです! (2018年2月21日 14時) (レス) id: 2024278634 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈(プロフ) - 完結お疲れ様です!!! これからも頑張ってください!! (2017年7月17日 10時) (レス) id: b8c40dadba (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - 面白いしキュンキュンします!更新頑張ってください (2017年6月29日 19時) (レス) id: 9742626405 (このIDを非表示/違反報告)
すずCHOS(プロフ) - なんか意味深な終わり方……めっちゃ続き気になります!更新頑張ってください! (2017年5月29日 18時) (レス) id: fc8d68d0e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小島美奈 | 作成日時:2017年5月8日 22時