◇ ページ7
_
．
．
．
「お疲れ様でしたー」
予定より早く終わった外ロケ
光くんと車に戻って後部座席に乗り込む
いつも以上に疲れを感じて
少し背を傾けながら車が出るのを待っていた
「だいちゃんさぁ、」
「んー？」
「……なんかあった？」
「え、」
．
．
．
．
．
．
．
ひとつ前に座ってた光くんが
シートの向こうから顔をのぞかせていた
心配そうな大きな瞳に見つめられて
少しだけ緊張が走る
「なんもないよ、なんで？」
「いやぁ、なんか変な感じする気がして」
「気のせいじゃね？」
「んー、ならいいんだけど」
いつも通りの顔で必死に答えると
納得したのか光くんの表情は
シートの向こうに消えていった
．
．
．
．
．
．
．
．
．
光くんは昔からそうだ
人の違和感にすぐ気づいてくれて
こうやって心配して声をかけてくれる
昔からその光くんの優しさに
何度も助けられたなぁ、なんて
一人で懐かしさに浸っていると
いつの間にか車は動き出して
ひとつ前から聞こえる寝息に
少しだけ気持ちが明るくなる気がした
人と話しても仕事をしても
なかなか心の中がスッキリしない
その理由は、わかっているけど
心の整理がつかない今は
誰かに話す気分にも、なれなくて
携帯を眺めながら、ひとつ
誰にも聞こえないように蟠りを吐いた
．
．
．
．
．
．
．
．
．
．
あんな形で声をかけてしまった手前
これから俺は、どうする？
どうやってこの距離を保てばいい？
何かのキッカケで拒絶されたら
もう、永遠に会えないかもしれない
もう、Aの笑顔も見られない
それが一番怖くて、やるせなくて
らしくないなぁ、なんて独り言
吐き出せずに居ると
手に持つ携帯は、ひとつ知らせを鳴らした
「……え」
A明後日、空いてますか?
こぼれた声に思わず口を隠した
画面に浮かぶ、その一言は
俺の心を大きく揺らして
．
．
．
．
．
．
．
．
．
．
「あ、マネージャー？あのさ……」
急いでスケジュール確認をしたくて、俺は
できる限り小さい声で
マネージャーに電話をかけた
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
▼SOLA(プロフ) - みーなさん» みーなさん！いつもありがとうございます( ´:ω:` )早速読みにきていただけて嬉しいです。色んな展開を用意してるので楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2020年4月29日 0時) (
レス) id: bb125c4f82 (このIDを非表示/違反報告)
みーな(プロフ) - ▼SOLAさん新作さっそく読みに来ました！もう楽しみです。これからもよろしくお願いします！！ (2020年4月29日 0時) (レス) id: 0f82e6a95a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：▼SOLA | 作成日時：2020年2月29日 18時
