◆1：運命の最終列車 ページ2
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平日の最終列車はガラガラで
取り出そうとしたイヤホンを戻す
不揃いな音の中
静かなホームから、次第に列車が離れていく
窓の外に流れていく景色は
ほんの少しだけ懐かしく思えて
しばらく遠くを見つめていた
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────────────……
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ドアの開く音に、ふと視線を上げた
降車駅までの道のりは半分になっていて
何気なく目線を戻そうとした瞬間
俺の中の時が止まって
向かい座っている女の子に気づいた
「、え……」
思わず零れた声は
車内アナウンスにかき消されて
幸い誰にも気づかれていない
ひとつ欠伸をしながら携帯をいじる姿に
不安と緊張が身体の中を走る
仕事帰りなんだろうか、なんて
彼女の背景を考える自分が居た
ほとんど人の居ない列車の中
無情に、時折車内アナウンスが流れるだけ
必死に頭の中を整理しようとすると
その子は携帯をバッグにしまい始めた
もしかして、次の駅で降りるんだろうか
そう思うのも束の間で
ドアの開く音と共にヒール音が鳴る
気づいたらその背中を追いかけて
降りたことのないホームに降り立った
華奢な背中に向かって歩み寄る
少し震えた声を吐き出した
「あ、の……すみません！」
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『……、？』
振り向いたその表情に
ひとつ、息を飲んだ
思い切りにしては、あまりにも無計画で
次の言葉なんて用意してなかった
どうにか話を聞いて欲しくて
マスクを下げると、もう一つ距離を縮める
「あの、」
『……え、』
声が重なった瞬間
真ん丸な瞳で俺を見つめる彼女は
コロコロと表情を変えて
『ありお、か……さん……？』
「あ、はい……」
緊張と不安が声色に変わる
耳を傾けてくれた今が、チャンスだと思った
今を逃したら二度とないとすら思った
だから……
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「あの、さ」
『はい』
「ひ、一目惚れしました……」
『………………え、？』
この距離を、どうしても繋げたくて
ぶっきらぼうで支離滅裂な言葉を
彼女に投げつけたんだ
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▼SOLA(プロフ) - みーなさん» みーなさん！いつもありがとうございます( ´:ω:` )早速読みにきていただけて嬉しいです。色んな展開を用意してるので楽しんでいただけるように頑張ります(^-^) (2020年4月29日 0時) (
レス) id: bb125c4f82 (このIDを非表示/違反報告)
みーな(プロフ) - ▼SOLAさん新作さっそく読みに来ました！もう楽しみです。これからもよろしくお願いします！！ (2020年4月29日 0時) (レス) id: 0f82e6a95a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2020年2月29日 18時
