047：待ってよ ページ48
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なんで
待って
うそ……
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雄也「(源氏名)ちゃん……っ……！」
「雄也……」
振り返ると
そこには両膝に手をついた雄也
雄也「どうしたの、ねぇ」
「ごめん、えっと……」
雄也「あと、これ要らないよ」
「……え？」
雄也の手には
置いていたはずの一万円札
少し強引に
手に持たされる
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雄也「お代なら、裕翔くんからもらってる」
「え……」
ふぅ、と息を整えながら
両肩に手を添えられた
雄也「(源氏名)ちゃん……ちゃんと言って？」
「違う……なんでもないの、ほんとに」
雄也が
どんな顔をしてるかなんて
想像できる
だからこそ
これ以上顔は上げられなくて
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雄也「(あなた)ちゃ……」
「やめて、」
雄也「……、」
「そっちの名前で呼ばないで……」
雄也「……ごめん」
しびれを切らしたかのように
雄也の口からでた私の名前が
ことの現実味を帯びていく気がした
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たしかにダイキは居た
だけど……
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雄也「(源氏名)ちゃん、」
雄也は優しい声で
頭を撫でてると
「ごめん、勝手なことして……」
雄也「んーん、俺も勝手にごめん。ビックリしたよね？」
「違……っ、雄也は……悪く、ない……」
どんどん胸の緊張が溶けて
涙がとまらなかった
雄也「あ、泣かせるつもりじゃ……ごめんね？」
雄也は優しく
涙を拭ってくれて
雄也「俺、一緒に居てあげられないから……とりあえずタクシー乗って？」
「でも……」
雄也「距離とか関係ないから。心配なの、俺が」
私の手を引いて
すぐタクシーを捕まえてくれた
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「……ありがと雄也」
雄也「ん、またね」
お願いします、
そう言った雄也の言葉を合図に
タクシー動き出した
自宅に着くまでは
一瞬に思えて
全然気持ちが浮かばないまま
気づいたらリビングに居た
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どうしていいか
分からないまま
ソファに座りこむと
気づいたら夢の中で
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その日も
やっぱりダイキは帰ってこなかった
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
