037：ここに、おいで ページ38
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ダイキ「……バカ、そんな顔すんなって」
ダイキは柔らかい表情で
優しく私の頭を撫でた
「ごめん……」
なんだか恥ずかしくなって
思わず下を向くと
ダイキの大きな手が
頭から頬まで落ちてくる
ダイキ「……(あなた)、」
「うん……」
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ゆっくり視線をあげると
気づいた距離は
さっきよりも近い
夜風が二人の間を
静かに通った気がして
鼻をくすぐる風に
思わず目を閉じると
あっという間に
唇が重なった
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ダイキ「ほんっと可愛いな、お前」
「……っ、」
こんなに気持ちが露わになるなんて
どうかしてる
でも
私を見つめるダイキの表情は
ずっと優しいままだった
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ダイキ「……あ、気持ちって今のじゃねぇから」
「ん？あ、うん……」
ずっとソワソワして
ずっとドキドキしてるのは
……私だけなのかな
そんな気持ちをくすぶってると
ダイキは
缶チューハイをテーブルに置いて
ベランダの手摺間際に
ゆっくり立ちすくんだ
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ダイキ「(あなた)、おいで」
「……へ？」
ダイキ「ほら、ここ」
手摺に繋いだ右手を伸ばして
その間を指さすと
差し出した左手を
ふわふわと揺らした
「そこに入れ、って？」
ダイキ「嫌なのかよ」
「嫌じゃないけど……」
嫌じゃないけど
なんか、なんか……
恥ずかしいじゃん
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不貞腐れる視線に負けて
ブランケットを畳みながら
視線を向けると
ダイキは、鼻の下をかきながら
ベランダの外を眺めた
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「お邪魔、しま……す」
ダイキ「ん、どーぞ」
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私を後ろから包むダイキからは
香水の匂いにアルコールが少し混ざる
肩に顎をのせられながら
見渡した景色は
なんだか綺麗に見えた
「……綺麗だね、これ」
ダイキ「な、俺も思った」
ぎゅ、っと
私を包む腕が少しだけ強くなって
ドキドキと緊張と
居心地の良さに
包まれていく
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ダイキ「ちゃんと、聞いとけよ？」
ゆっくり話し始めながら
ダイキは二つの手を重ねた
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
