036：聞いてくれる？ ページ37
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「さっきのお兄さん達って店の人……だよね？」
ダイキ「そうそう。ユウリとヒカルくん、ね」
「二人とも優しいんだね」
ダイキ「ユウリはー、いつもファーストやってくれる内勤なの」
「……ファースト？」
ダイキ「店に来た客を案内する役」
「あー、なるほど」
ダイキ「ヒカルくんは店長だから、あんま席つかねぇけどな」
「代表と店長って、なんか違うの？」
ダイキ「んー、まぁ……似たようなもんだよ」
「あと、なんかもう一人居るって……」
ダイキ「ケイト、でしょ？」
「あ！そうそう……電話かかってくるよ、ってユウリさんが言ってた」
ダイキ「ケイトも内勤。今日車出してくれたから」
「そっかそっか」
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風の流れる音と
街の足音を聞きながら
ダイキと私は
たわいもない話を続けて
気づいたらダイキは
冷蔵庫から、また帰ってきた
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ダイキ「ほら、」
ダイキの手には
二つの缶チューハイ
「えっ、……ありがとう」
ダイキ「なんだよ」
「……飲み終わったのよくわかったな、って」
ダイキ「バカ、普通わかんだろ」
「あ、うん……」
ダイキ「(あなた)は、何とも思ってねぇかもしんないけどさ」
「……？」
ダイキ「俺、結構(あなた)のこと……ちゃんと見てるつもり」
一瞬だけ
風の音が止んで
言葉に吸い寄せられるように
自然と目線があう
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ダイキ「不思議だったろ？」
「え……」
ダイキ「なんで一緒に住むのか」
「……うん」
思わぬ話に
聞こえてくる言葉に
缶を持つ手が
少しだけ、強くなる
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ダイキ「(あなた)だから、だよ」
「……え？」
ダイキ「あの時、会ったのが(あなた)じゃなかったら……一緒に住もうなんて言ってない」
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ダイキに見つめられて
ダイキの言葉に包まれて
驚いた私は
なにも返事ができなくて
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ダイキ「ちょっとだけ……聞いてくれる？俺の気持ち」
「……ん」
缶を握りしめたまま
小さく頷くことしかできなかった
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
