012：お嬢さん、ようこそ ページ12
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「ごめん雄也、あとよろしくね？」
雄也「ん。任せて」
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山田が
なかなか起きないから
いつも通り雄也に任せて
静かな店内を後にした
私も山田も明日まで休みだから
少しくらいほっといてもよかったんだけど
……一応、ね
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．
．
ダイキと住んでる家が
雄也のBARと近いのは
たぶん偶然なんだろうけど
�猴�達�瓩�少ない私にとっては
有難く好都合だった
フラッと寄ってダラダラして
気軽に息抜きができる場所
きっと東京じゃ見つけられないもん
．
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エレベーターのアナウンス
身体が上昇する感覚
これから先しばらく
嫌でも味わうことになるはずなのに
なんだか
くすぐったくて
ダイキは……
どう思ってるんだろう
打ちあける勇気のない
独り言をしまい込みながら
玄関に鍵をかざした
．
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．
．
．
．
ダイキ「おかえり！」
「……っうわ！」
玄関を開けると
洗面所から出てきた
上半身裸のダイキと遭遇
「ただいま。……Tシャツくらい着たら？」
ダイキ「風呂入ってたんだから、しょうがねぇじゃーん」
髪の毛を拭きながら
廊下を歩く
ダイキの後ろをついてく
ダイキ「あ、今日さ」
「うん」
ダイキ「テーブル買ってきた」
「……テーブル？あるじゃん」
ダイキ「ちげぇの。あ、……コレ！」
ダイキが見せてきたのは
膝くらいの高さがある
小さな黒いテーブルだった
「……どこに置くの」
ダイキ「まぁ、見てろって」
．
．
．
嬉しそうに笑うダイキは
小さな黒いテーブルと
折りたたみ式の椅子を二つ持って
ベランダに並べはじめた
ダイキ「(あなた)！冷蔵庫に酒入ってるから持ってきて！」
「あ、……うん」
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．
ダイキ「お嬢さん。ようこそ、アリオカBARへ」
「ふ、なにそれ」
ダイキ「よくない？こうやって飲むのも」
．
少しひんやりした風
4月の夜は
静かで過ごしやすい
ダイキが渡してくれた
薄めのブランケットにくるまって
ダイキ「(あなた)、乾杯しよ」
「うん、」
．
．
．
ダイキ「ほら、」
椅子に座ったのを確認すると
ダイキは
開けてくれた缶チューハイを
テーブルの上に置いた
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作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
