041：ひんやり、と ページ42
_
．
．
．
ダイキ「……珍しいじゃん」
「あ、おかえりー」
．
．
．
．
仕事が終わってから
いつも通り真っ直ぐ帰ってきたものの
なかなか寝つけなくて
ベランダで缶チューハイを鳴らしていたら
仕事帰りのダイキに
見つかった
．
．
．
．
．
ダイキ「んー、ただいま」
「今日早かったね」
ダイキ「明日バースデーだから、今日は体力温存ってとこ」
「あー、明日なの？」
ダイキ「そうそう、頑張らねぇと」
．
．
．
腕を伸ばしながら話すダイキからは
いつもの匂い
切なさが溢れそうになって
吐息混じりに目線をそらした
．
．
．
．
ダイキ「俺も飲もっかなー、いっこだけ」
「……うん、」
冷蔵庫に向かうダイキを
少し目で追いながら
冷静さを探す
聞きたいことも
確認したいことも
数えきれないほど、あって
だけど
予想ができない部分が怖いから
ひとつもクチにはできない
背を向けられることなんて
自分から離れていくなんて
今まで経験しなかったワケじゃないのに
なんで、こんなにも
言えない言葉が増えていくんだろう
．
．
．
．
．
．
．
ダイキ「よいしょ、っと」
「あ、それ美味しかったよ。限定のやつ」
ダイキ「マジ？また買ってこよっかなー」
「私も今度見つけたら買ってくるね」
ダイキ「うん。あ、あのさ……(あなた)」
「……ん、？」
．
．
．
．
．
．
ダイキ「バースデー終わったら、俺ちょっと家あける」
「……どっか、旅行？」
ダイキ「いや、そうじゃねぇけど……」
「……、」
ダイキ「あ、ちゃんと帰ってくるよ？」
「うん……」
．
．
．
．
．
なんで、行き先
聞いてんだろ……私
ただの同居人なのに
だけど……
．
．
．
．
．
なんでこんなに苦しいの？
．
．
．
．
．
私の気持ちを知ってか知らずか
ダイキは言葉を並べ続ける
ダイキ「あ、それと……」
いつもより冷たい風が
首元を通った気がしたのは
．
．
．
．
．
．
ダイキ「家あけてる時は……わりぃんだけど連絡とれないから」
気のせいだったのかな
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 766人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：▼SOLA | 作成日時：2019年4月3日 11時
