いちばん星☆【8】〜the first star of evening〜 (Ki)

366 太輔side ページ31

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太輔「…戻りました！」





いつものように外回りから戻って
自分の席につくと









『……たいぴー

ちょっといい？』




太輔「……！」





後ろから話しかけられた声に




太輔「……うん」





ドキッと高鳴る鼓動を隠して
Aちゃんの後を追った







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階段の踊り場に着くと
くるっと向きを変えたAちゃん









『……これ』




太輔「……！」







Aちゃんの手には
見たことのあるショップの紙袋が
握られていた









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太輔「えっ…」





『誕生日……おめでと』





太輔「あ…」






……すっかり忘れてた









オレ…






今日誕生日じゃん…









『なんか…

たいぴーどうゆうのが好きか分からなかったから…

……気に入るか分かんないけど…』








控えめに話すAちゃんが
オレを見上げるように見つめた









太輔「あっ…ありがと

なんかごめん…びっくりしちゃって…」








『ううん

私も誕生日のとき貰ったから』









太輔「……」







『はい……どうぞ』








Aちゃんの手から
オレの手にプレゼントが渡る









太輔「ありがと…

オレの誕生日……知ってたの？」






『あ……

プレゼントもらった時にね…調べたの

たいぴーの誕生日』







太輔「そうだったんだ」








『……じゃあ

私戻るね？』









そう言って
オレの横を通り過ぎようとした瞬間









……“ぎゅっ”

『……！』








咄嗟に
Aちゃんの手を掴んだ









『……？』





太輔「……」






二つの手が繋がりながら



……視線も重なる









太輔「……」


不思議そうにオレを見つめる目を

一瞬……

困らせちゃおうかと思ったけど








太輔「……ううん

これ…ほんとありがとね」






『うんっ…』




太輔「……///」







ふにゃっとした笑顔を見せてくれたAちゃんに
苦しみに似た 愛しさを感じながら









太輔「……先戻って？」







そう言って
パタパタと走ってく後ろ姿を見つめた








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