抱きしめたい 〜Smile for you〜 (2)

11 高嗣side ページ11

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一人 残された浜辺









「…恐竜？」









なんのことだろ…









気になりながらも
浜辺を歩きだそうとしたとき





「あっ…！！…やっべ…」







待たせてるみつのことを思い出した









「……」




どんくらいここに居たっけ？




みつ…




まさかオレのこと置いて
帰ったりしてないよな…？









一気に膨れ上がった不安に





…ｻﾞｯ




車目指して 一目散に駆け出した









.






.








…ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…ﾊｧ…っ






「……あった！」








暗闇の中でみつの車を発見すると
すぐに車まで駆け寄った









「……！寝てる…っ？」







窓をコンコンっとしても
びくともしない








「みつ…っ！ 開けて…！」






「……」








強めに窓を叩いても
赤ちゃんみたいな顔して全然起きる気配がない









「あっ……電話っ…」








スマホを取り出して電話をかけると









「…！」





窓の向こうでビクッと反応した身体








「みつ…っ！」






やっと目を開けたみつが
窓の外ででかいジェスチャーしてるオレに気付いて





…ｶﾁｬｯ







やっとドアが開いた








.







.









「みつ ごめんっ…！」


両手を顔の前で合わせて目をつぶると









「……おせーよ」




寝起きの掠れた声が届いた









「ごめんごめんっ…笑」









謝りながら
助手席に乗り込んだオレに
みつがからかうように聞いてきた









「……なに？…ナンパ？笑」







「はっ！？ ちげーし…」






「ふっ…笑

行くぞぉ〜」









みつが車を走らせると
さっきまで彼女といた浜辺を目で追った









「……あっ！！」




「うお…っ

なんだよ ……ビビらせんなっつーの」







「あっ…ごめんごめんっ笑」








スマホを出して
すぐに検索したのは…







“ガチャピン”









「……やっぱり！」

検索結果に思わず顔が緩んだ









ガチャピンって

恐竜だったんだ…









見知らぬ男に
いきなり恐竜に似てるなんて言われたら




そりゃ怒るか…笑









さっきのやり取りを思い返してると









「……ふっ。笑」





「……！？」








チャラい姿勢でハンドル握ってるみつが






突然笑い出した








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