ナナイロ☆クリスマス

☆…… ページ38

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☆健永side







ちっちゃい頃から好きだったダンス







だけどいつの間にか
周りはダンスで職が決まったり

全く別の職種に就いたり…








“好きだから”

“もっと上手くなりたいから”




そう思って踊ってるオレにも
肩身が狭い思いが生まれ始めてた







.








将来が見えない自分に
次第に大きくなる不安







レッスンが終わって
一人残ったフロアで
鏡の中の自分に問いかけた







「オレ……なんのために踊ってるんだっけ…」





得体の知れないモヤモヤに埋め尽くされて
オレはその場にうずくまった







.






『……あのっ……大丈夫ですか？
…気分でも悪いの…？』





「……！」






肩に触れたあったかい温もりに顔を上げると






…受付の…！







『……大丈夫？』





「あっ……はい」






心配そうにオレの顔を覗き込んできた目に
胸がドクンっと高鳴った







「あっ……すいませんっ
ちょっと考え事しててっ…今出ますっ…」







慌てて立ち上がろうとした瞬間
汗で濡れたフロアが滑って



「わっ…！」



『きゃっ…』








咄嗟に手を付いたフロアとオレの間に

……彼女がいた








「『……！///』」


至近距離で重なった視線









……“時間…止まれ”…

そんなことを思った自分にハッとして
すぐに立ち上がった







「すいませんっ……滑っちゃって…」






『あ……はい』








起き上がろうとした彼女に
スッと手を差し出すと







『……！/// ありがと…』






少し照れたようにして握り返してくれた手が




「……！///」







ちっちゃくて柔らかくって

オレの胸はドキッとした







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