ナナイロ☆クリスマス

☆…… ページ34

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☆渉side







仕事から帰ったら 部屋は真っ暗で
Aもワンコたちも居なくて
一気に不安が襲ってきた







Aの昨日の悲しそうな顔が浮かんで
すぐ電話をかけると




「…！」


繋がった愛しい声に
いっぱいになる胸








公園まで走って
Aを見つけると
すぐに抱き締めた









A…

上手に愛してやれなくてごめん…






オレの中…
こんなにAでいっぱいなのに…





どうして悲しい顔 させちゃったんだろ…









そんなことを思ってたら
急に “もうライブ行かない” なんて言い出したA








途端に浮かんだ
好きな歌を口ずさんでる嬉しそうなAの顔






「……」


オレの態度や言葉で
ここまで追い詰めてしまったことに
今更ながら 後悔の気持ちが膨れ上がった









「……いいよ…行きなよ…
オレが言いすぎた…ごめん」






『渉…？』






「Aには好きなことしてて欲しいから…」







“ぎゅっ”としてた腕を緩めてAを見ると
その目は涙で潤んでた






「もう信じるから…だから」




『……』



真っ直ぐオレを見つめてるAに
微笑んだ






「ゼーッタイ！…なにもされんなよ。笑」





『…！渉っ…』







オレの胸に顔を埋めた愛しい温もりを
両手で包み込んだ







…Aが笑顔で居てくれなきゃ
オレが無理だもん









冷たくなってきた風が落ち葉を連れて
オレ達の横を
カサカサと通り過ぎた秋の夜








大切なAが笑っていられるように
オレはもう信じるって決めた







だって……オレが選んだAだから







誰よりもオレのこと
理解してくれてるAだから







オレだって 信じなきゃダメでしょ…？




.








「…帰ろっか？」






『…うん』






繋いだ手をポケットの中で“ぎゅっ”とした







「A…」




『…？』





「見てみ…？ワンコたち…」







『えっ…？』






「…Aのこと心配してるよ？
Aが笑顔じゃないと
オレがワンコたちに睨まれっから。笑」






『ふふっ…』





やっと笑ってくれたAに
心底ホッとした








その笑顔…


やっぱりずっと

隣で見ていたい…









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