ナナイロ☆クリスマス

5 NOVEL…☆ (Y) ページ30

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☆渉side




「パピー！…ちょっ…パピーっ」


なかなか散歩に連れていけないオレの代わりに
Aがちゃんと連れて行ってくれてるから
パピーでさえも最近オレよりAの方に
寄ってくようになって
なんだか寂しい今日このごろ…





仕事がいつもより早く終わって
今日こそはと 周りの誘いを断って
真っ直ぐ帰ってきた







「…よしっ…じゃあ散歩行こっ」





ワンコたちに引かれて早歩きになるA






嬉しそうに笑うAを見るだけで
仕事の疲れも吹っ飛んじゃうから不思議






夜の風が爽やかにオレ達の横を通り過ぎた






いつもより遠くの土手の方まで行ってみると








「暗いな…A大丈夫？」





辺りに全く人気(ひとけ)がないのを確認して
Aの手を握った





『……///』





「行こっ」







照れたように笑うAを見て
オレの顔も一瞬で緩む







土手を歩いてしばらくすると





『あっ…！星……すごいキレイ…』




Aが立ち止まって夜空を見上げたから
緩やかな斜面を見つけて腰掛けた







「ちょっと横になってみる？」




『うん』





「んっ…」





『えっ…』





「腕枕……してあげる。笑」





『ふふっ……ありがと。笑』







オレの細い腕にAが横になると
ふっと香ったAの匂い

オレと同じシャンプーの匂いに安心する









それから静かなときの中で
２人並んで夜空を見上げた







チラッとAを見ると
なんだか目がうるっとしてる気がして





「…どうした？」

身体を起こしてのぞき込むと
Aの大きな目に見つめられた






…ドキッ…

高鳴る胸







次の瞬間



吸い寄せられるように
唇を重ねてた



…ちゅっ…







離れると尚も絡む視線に




『んっ……///』

Aに覆いかぶさるようにして
もう一度重ねた唇
Aの柔らかいほっぺが手に吸い付く





唇を重ねる音と
Aの小さな吐息に
どんどん昂まっていってると



『…わたっ…///』





「…！」





Aの声にハッとして唇を離した






「…ごめんごめんっ…
こんな所で何やってんだろオレ」





身体を戻してまた空を見上げた





「ねぇ A」




『ん？』




「今日七夕だからさ…
願い事しない？」





『ふふっ…うん…』






2人で目を閉じて
星に願った






どんなことを願ったか…



聞かなくてもきっと
同じ景色を思い描いているような気がした…





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