笑えれば。 (ページ43)

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スマホを触っていると後ろから抱きつかれた。

「亜生くん、どしたの？」

「いや、Aが元気なかったからなんかあったんかなって」

「大丈夫だって！！」

「嘘ついたアカンで。」

「嘘じゃないもん。

でもさ、ひとつだけ聞いてもいい？」

「どした？」

「もし明日私がいなくなったらどうする？」

「そら探すわ。

あらゆる手を使って。

見つけ出してハグしたるわ。笑」

「そっか。うれしい。」

「疲れてんのか？」

「そうかも。」

「もう寝よか。」

「でも、今日は自分の家に帰ろうかな。」

「そっか。」

帰る用意をして。

玄関に向かって。

「A？」

「ん？？」

後ろを振り返ったら不意打ちにキスをされた。

「どしたの？」

「今にも消えそうやったから。」

「消えないよ。」

嘘なのに。

「そうやな。笑

じゃあ、な。」

「うん、」

最後に自分から一回だけキスをした。

「またね」

そう言って部屋を出た。