【忍たま】魔界之小路先生が通販で失敗したことから始まるお話 ③ (ページ13)

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アセビ族の歴史の段ページ13

村長の家は、特別大きい、部屋が広いというわけではなかった。恐らくアセビに関するものであろう書物がずらりと並べられておりむしろ狭く感じてもおかしくない。

それでもどこかにゆとりがあるような、そんな不思議な部屋だった。

村長「ではまず…坊やたちとお嬢ちゃん、我々がアセビと呼ばれる一族であることは分かりますね？」

村長の問いに対し、ドクたまたちはこくりとうなずく。

村長「では、どうしてその一族が出来たか…今はそこまで詳しく書かれた書物はあまり出回っていないから分からないかもしれないが、聞きたいか？」

「「聞きたいです！」」

「そうか、では今から話をしよう。どう思うかはわからないが、どうか最後まで聞いてくださいね＿＿＿」

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さかのぼること、今から600年前

「アセビ」と呼ばれる一族が生まれたのはこの頃である。

その頃の時代は、現代の言い方で言う「平安時代」

都では貴族が権力を握り、優雅気ままな生活を送っていた。食べるものにも困らず、思う存分娯楽を極め、まさに贅沢な暮らしぶりだった。

しかし、それを許されたのはほんの一握りの貴族のみ。

地方の一般庶民はというと、米は税として納めなければならず満足な食事も出来ない、家は縄文時代から伝わる竪穴式住居という、貴族とはまるで違う生活を強いられていた。

さらに、地方政治は行き詰まりを見せ、治安がいいとは言い難い状況であった。

そんな中、ある権力者が立て続けに庶民を連れ去るようになった。

いつ、誰が自らの土地や財産を狙って奪われるか分からない中、

それらを守らせるために、人工的にでも“強い人間”を作り出そうとしていたのだった。日々の鍛錬で体を鍛えるよりも、手っ取り早く、強靭な人を。

簡単に言うと、人体実験＿＿＿＿

その権力者は、自分の土地さえ守ることができるのであれば、それが誰であろうと構わなかった。

子どもだろうが女性だろうが関係なく人を連れ去っては、実験という名の拷問を行っていた。

そして、連れ去られた人が再び元いたふるさとへ戻ることは無かった。