【忍たま】魔界之小路先生が通販で失敗したことから始まるお話 ③ (ページ11)

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父「ところで、Aが連絡もなく家に来るだなんて珍しいな」

全員が腰を下ろしひと段落したところで、父が口を開いた。

村を出てからA家へ帰ることはそう多くはなかったが、帰る時は前もって手紙を出していたのだが、今回は何の便りもなかったため、父だけでなく母も疑問に思っていた。

「実は、かくかくしかじかでして…」

本日3回目のかくかくしかじか。はっきり言って超便利。

母「そんなことが…」

「どう思われます？」

父「Aの能力が確立したとしてもおかしくはないのだが…ただ、人間の方での生活も長いからなぁ」

いぶ「そんなに珍しいことなんですか？」

「うん。さっきも言ったけど、能力を操るにはすごく訓練しなくちゃいけないの。だから私みたいに能力が未熟な人がその訓練をやめたらほぼ身につかない。まして私は村を離れてるから、周りの能力に触発されることもない」

しぶ「でも『アセビの訓練と忍術はつながることが多い』ってAさん言ってたじゃないですか。もしかしたら、忍者の勉強やお仕事をしてるうちに鍛えられたんじゃないですか？」

父「あぁ、その可能性は十分あり得るな」

母「それに、聞く限りだと父さんの持つ能力がタイミング良く出てきたのも都合が良すぎるというか…」

「そうなんですよねぇ…」

まさか、あきらめかけていた『能力』でここまで頭を悩ませるとは…Aの父と母も考えを巡らせるが、結論には至りそうにない。

父「…そうだな。もしかしたら村長なら何か知っているかもしれん」

「やはりそうでしょうかね…」

考えが行き詰ったところに「村長」という者の名が出てきた。その場にいたドクたまは新しい、かつ重要そうな人物の名前に首をかしげる。

山ぶ「村長さん、がいるんですか？」

「うん。今この村を治めている人」

ふぶ「どんな人なんですか？」

「村長は『記憶』の能力を持っている方なの。記憶を正確に覚えているのはもちろん、人が持っている記憶とか、本に書かれてある記録も辿れちゃうっていうすごい能力」

いぶ「さ、さすがは村長さん…！」