妙な噂話の段 ページ6
ある日、町へ薬を売りに行ったAは、こんな話を聞いた。
「…ドクタケ城が？」
「そうそう、その城がこの辺りの村を狙ってるって話。お嬢ちゃん知らない？」
「聞いたことありませんね…」
自分の勤めている城の名前が出たかと思ったら、全く身に覚えのない話が出回っている。
確かにドクタケは(勝算の有無に関わらず)戦を仕掛ける城ではあるが、そんな話は殿から聞いていない。ガセネタという可能性ももちろんあるし、そういう噂が出回っても仕方ないとは思うが、全く迷惑な話だ。
話に若干ついていけないAをよそに、周りのお姉様方は続ける。
「あの城、また戦いを始めるつもりなの？ほんっと懲りないわねぇ」
「ほんっと、嫌な所よね。あそこで働く人の気が知れないわ」
…いやあの、目の前に『あそこで働く』本人がいるんだけど…
とはいえ、まぁあながち間違いではないのでAも適当に同調しつつ、話を広げてみる。
「あそこは物騒な所ですからね。でも、またどうしてこの辺りを…？」
ここを治めていた城は、確か落城寸前まで追い詰められ…というか、ほぼ落城し別の城の領地になったものだと思っていた。
落城した城の中には、戦で必要な食料を備蓄したり、一時的な出城として使われるものもあるが、あそこはそこまで重要視されていない城である。
だから今まで、ドクタケのみならず他の城もこの落城した城の領地を占領しようとはしてこなかった。
それなのに、なぜ…？しかもドクタケが…？
「何でも、あの巻物を狙ってるんじゃないかって」
「…巻物？」
「ほら、この村を治めるためには代々伝わる巻物が手元になくちゃいけないっていう言い伝えがあるそうなんだけど…まだどの城もそれを手に入れてないらしいのよ」
「じゃあここを落としても、それが無いとここを治めることはできない…？」
「そうそう。新しい城はそれをまだ手に入れてないみたいなのよ〜」
「じゃあそれを、そのドクタケが狙ってるってこと？」
「それって横取りじゃな〜い！」
や〜ね〜なんて言い合っている中で、Aは考えを巡らせていた。
巻物が無いというのなら、素直に奪えばいいものを…なぜ、そこでドクタケの名前が出てくるのだろう。
そして、分かったことがもう一つ。
…やっぱウチの城、めちゃめちゃ嫌われてるじゃねぇか…！
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いちごもんすたー(プロフ) - しょーぞーさん» コメントありがとうございます！今後も頑張ります！ご意見参考にさせて頂きます。 (2021年10月3日 23時) (
レス) id: 9d6884059d (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - こんにちは〜いつも楽しく拝見してます^o^後者のドクタケに戻ってもらうに是非一票入れさせて下さい〜 (2021年10月3日 13時) (レス) @page50 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - しょーぞーさん» そう言っていただけて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー - さくらさん» コメントありがとうございます！今後もちまちまとですが頑張ります！！ (2021年9月27日 0時) (レス) id: 4f0800c484 (このIDを非表示/違反報告)
しょーぞー - とっても面白いです！連載ありがとうございます！(;o;) (2021年9月26日 20時) (レス) @page22 id: fc776c6f0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮生 | 作成日時：2021年9月16日 21時
