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2人の橋渡しをするべきな俺が黙り込んで、どんどん空気が重くなっていく。
何回か俺と先輩の顔を見比べていためめが口を開くまで、体感5年。
「俺ってお邪魔虫要員ですよね」
よう言った。でも雰囲気は最悪や。これどうなんねん。現実逃避なう。
初対面の人間に爆弾を投げたイケメンが、今度は俺に向き直る。
ごめんまだ俺の意識が逃走中やからご意見承れへんねんけど、
「康二、好きだよ」
俺生きてる?逆上した先輩に刺されて死ぬ間際の走馬灯かってくらいドラマの1シーンやで。
こんな人前で堂々と告白されるとか。
思わず強張った頬はめめの両手に包まれ、緩く顔を上に向けられる。
口元隠したら顔近づけただけでキスしたみたいになるもんな。
で、カップル成立したように見せるとか、解決策までイケメンやん。
耳まであっついの、伝わってるんかな。
サラッと解決(?)された腹いせに、寸止めの唇にしっかり噛みつく。
不器用に応えためめが色っぽく息継ぎをしたあたりで、もう覚悟は固まった。
「先輩、ごはん、また今度でええ?」
捨て台詞にもならんような言葉を吐いて去った先輩を見ても、何も感じなかった。
「別にあんな人ばっかりちゃうんよ」
「じゃあ何で来たの」
「なんでやろ。
「ふぅん」
「分かってへんやろ」
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作者名:べす | 作成日時:2021年3月31日 16時