大げさに言うと時代背景 ページ5
昔話、と言っても、それぞれが割とややこしい事情を抱えている。
大集合会を機に子供たちのある程度のことは知ってもらおうという話になり、俺もその準備のために原稿を考えている真っ最中。
久しぶりに引っ張り出したメガネを外し、ちょっと休憩している間にも色々なことを思い出す。
記憶を探る指先がトラウマに触れそうになった瞬間、メッセージアプリの通知が来た。
翔太まだ起きてる?
ふっか起きてんよ〜
ふっか人にっつーか、子供に話すとなると一気にむずい。こりゃ徹夜かな
翔太俺も
ふっか翔太の場合、無理して夜更かししなくても舘さんがやってくれそう
翔太最近調子良いから、あんま涼太に頼りたくない
ふっかしょうたくん偉いねぇ
大介辰哉も翔太も起きてるとか珍し〜!
大介原稿考えてた感じ??
ふっか施設のこととか、どこまで言えば良いのか分からんのよ
大介そっか!亮平に聞いてもダメなんだ!!
翔太お前常時そのテンションなの
翔太のドストレートな物言いのキレが増してきた。
俺もかなり眠いし、そろそろ限界かな。
うぅ、と呻きつつあちこちに散らばった紙をめくっていくと、件の施設のメモを発見。
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施設:α、β、Ωそれぞれに専用の施設がある。
成人するまでそこから出ることは許されない。
α性、β性の人間とかマジで想像上の生き物だった。
衣食住はそれなりに確保されていた。
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何を隠そう、Ωである俺、大介、翔太は同じ施設出身なので、3人お揃いの副作用を背負っている。
翔太はちょっと訳ありだけど。
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作者名:べす | 作成日時:2021年3月31日 16時