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にしても照さんおっそ。


俺は(ひかる)呼びだけど、照哉は(とう)さんのテンションで(てる)さん呼び。

康二が《照兄》呼びしてたのが移ったのかなぁ。可愛いのでよし。


さん付けしているだけあって、照哉も立派な強火の照担。

玄関から音がすると真っ先に飛んでいく。

反応速度の差から若干の老いを感じております。






「ただいま」


「「おかえり」」


照に抱き上げられてご満悦の照哉さんがドヤってくるので、袋を受け取って台所に引っ込む。


なんでこういう所だけ俺に似たのか。




鍋に人参を加え、さっと火を通してから水を入れて、蓋をしたら後はタイマーに呼ばれるのを待つだけ。


この時間はお腹が空いてご機嫌ナナメになりがちな照哉さんが、今日はいつになく元気。


リビングから聞こえた「(てる)さんみたいになる」宣言がとんでもなく嬉しいであろう照と一緒にはしゃぎ倒している。


ペタペタとリビングへ歩いていくと、そっくりな笑顔を浮かべた顔がこちらを向く。


「いつもの強面はどうしたよ」

「いや、久しぶりに康二たちと会った日にこんな話されたらアガるだろ」

「タイムリーすぎんかそれは」



人参を買いに寄ったスーパーで遭遇したという3人組が、いまいちピンときていない照哉は首をコテン。


「今日習った、新しい薬作った人たちに会ったんだって」

「え!?」

「ちっちゃい時、たまに会ってたんだぞ」

「すごい…」



照の一言で、簡単に会えると思った照哉の目はキラッキラ。

自分で蒔いた種だぞ。という事でカレーづくりに戻った。

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作者名:べす | 作成日時:2021年3月31日 16時

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