慰みもの【鬼滅の刃】

なぐさみ　きゅう ページ9

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　慰み者。

醜い、哀れな、愚かな勘違い。




貴方が優しくて、暖かいから、自分が慰み者だということを忘れていた。



私は従順な羊。
自分の生きる意味は知っていた、わかっていた。




けれど、私という存在がわからなかった。


慰み者、そうおもえば何も困ることはないのに。




貴方が時を重ねて、触れるごとに自分の存在がわからなくなった。






ただ、


あの寒い寒い日に殺される。




自分を肯定できないから、それに蝕まれてゆく。



それを胸に永遠に引っかけて自分の立場を得ようとする。






“愛している”






この言葉に殺される。


これがいつか移ろって、他の人に捧げられるのだとしたら、私はきっと死んでしまう。






貴方の愛の基準がわからない。






私の中の貴方ほど、貴方は私を思っていないとわかっているけれど。



それでも、愛したい、愛していたい。





いっそのこと、私以外見ないでほしい。


そうやって眠っている貴方の瞼に触れた。







聞きたいのだ。


私は貴方の何かと。

聞きたい、知りたい、分かりたいと。





思えば思うほどに愛しかった。



だから。





いっそ、殺されてしまうのならば。


私も貴方を





「愛しています」




この言葉が惨めったらしくて、恨めしくて。



貴方が私を見ないのを知っていて。




どうしてこんなことを




「言ったのかしら」

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