女子高生A、不運に見舞われるの巻。【文スト】【トリップ】

拾参話 ページ15

昨日の人、大丈夫でしょうか･･･。
なんて考えちゃう私はお人好しなんでしょうか。

国木田さんの2時間半のお説教も仕事が入ったのかようやく終わり、先刻自分が傷つけた人のことを考える。
谷崎さんや中島さんが無事でよかったっていうのは心から思ってる。けど･･･。さっきの弾がもし、もしも少しでもズレて彼の左胸＿＿心臓に当たっていたとしたら。

･･･考えるだけでも鳥肌が立つ。正直、この武装探偵社は私のような只の子供が来ていいような甘ったれた場所ではないと思う。

これから先、上手くやっていけるのか心配になってきました･･･。

社の椅子＿＿＿あのくるくる回るすごいやつ!!＿＿＿に座って長ーい考え事をしながら窓の外を見る。

下を見ると意外と高い。たくさんの人が忙しなく歩き回っている。
サラリーマン、OLさん、子供連れの主婦、学生･･･。

上を見るともとの世界と同じような抜けるような青空が広がっている。私もついこの前まで気楽に学生やってたのになぁ･･･。
しかも青春真っ只中の高２ですよ!?16歳ですよ!?

本当ならもっとこう･･･。

「はぁぁ･･･。」

ｶｻｯ

「?ぺろぺろキャンディー･･･? 」

唐突に視界に入ってきたソレを理解するのに2秒程かかった。
･･･棒の先に袋に包まれた甘〜いキャンディが入っている、お菓子。

「やる。」

頭上からの声の主を確認しようと首を上向きにする。

「おわっ!!」


ｶﾞｼｬｱｱｯ


･･･椅子が倒れた。
頭から落ちたよ!?痛い!っとその前に椅子の安否の確認が先ですね!!

「いいい椅子!!壊れてないですよね!?」

「･･･変な奴。」

私が椅子の脚やらを確認していると声の主＿＿江戸川乱歩さんは立ち去ってしまった。･･･私の頭に持ってきて頂いたものを置いて。





･･･





･･･





えええええ江戸川さん!!なんて優しい人!!


そのまま包装をとき、大好物のソレを口に咥えてその場に座る。

「はぁぁ〜･･･幸せってこういうこと(人から無償でお菓子をもらうこと)かぁ〜!」









その日は１日、心配事も忘れて寝るまで幸せルンルン気分でした。

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