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-em視点
「で、F案まで精査出来たら訳やけど、」
どれ進めたい？
メイドから書類を受け取りながら、オスマンさんが様子を伺うように管制室へと質問を投げる
無機質で真っ黒なスピーカーからあっけらかんとした声で「勿論Bやけど？」と来て、2人して少しガックリとした
「そもそも俺がB案出したんやから…俺の中でBが最善なのは譲れへん」
「そうですか…」
「逆になんでこんな渋るんや」
そんなやりとりを聞きながらグルッペンは一人目を閉じて己の指先で手遊びしながら思案している
「確かに、目的達成には1番その案が速くてシンプルでいいと思いますが…。いやその、リスクが一点、…ゾムさんに集中しすぎちゃうか…」
私の隣でオスマンさんが「リスクヘッジ、リスクヘッジ」とだけ合いの手を入れる
「逆にそれがええんやろ、失敗した時1人死ぬだけで何も傷つかない。変に分散させて相手側に戦略と暗部の顔バレるほうが長い目で見れば何倍もリスクや」
ゾムだってそう言う、
俺もアイツも死ぬ事は別にええねん
最後の一言に、2人して口を噤む
何言っても無駄、目を合わせた緑色がそう物語っている
…同感だ
この世界で1番劣悪な環境で育ってきた2人の中で、命の在り方は自他共にあまりにも軽すぎる
特にロボロさんは目標達成の為ならどんな非人道的手段も厭わない『無機質さ』が、出会った時から存在していた
昔からそれを少しずつ矯正して、最近はその手応えすら感じる時もあったのに
Aさんを見つけてから、ロボロさんの動き方や思考回路が昔に逆戻りしてきている
ゾムさんも然りだった
兄妹という守りたいものが出来た反動と言えば聞こえはいいが、決して良い影響ではない
しかしこれ以上の反論は、彼らの生きてきた道に対する冒涜にもなり得る
「…グルッペンさん」
「せやな、Bで行こか」
「…じゃ、この作戦要項ゾムに渡しといて」
「かしこまりました」
オスマンさんの後ろに控えていたメイドが下がる
…一息つける時間だ
コーヒーを口に含み眉を顰めた
会議の間にすっかり冷めてしまったそれは不快にも粘膜から体温を奪う
酸化してコクのない苦味だけが我が物顔で鼻腔を抜けるのだ
あぁ美味しくない、不甲斐ない
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燕(プロフ) - マシュマロさん» そのコメントめちゃくちゃ嬉しいです…完結してナンボだと思っているので終わらせられてよかったです。コメントありがとうございました (2020年6月13日 8時) (
レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ(プロフ) - タイトル回収がこう言う形で来るとは思わなくてめっちゃ感動しました！連載お疲れ様でした (2020年6月10日 18時) (レス) id: f608f5e23a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 楽しみにしてます！ (2020年6月5日 12時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ゆんさん» 了解です！塩ですね笑塩加減（？）喜んで頂けて何よりです笑ページの都合上次作での掲載になりますご了承ください。コメントありがとうございました！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 返信ありがとうございます！主人公が小さくなったとかどうでしょう？細かくて申し訳ないんですが軍パロの方のshpさんは本編ぐらいの塩でお願いします！塩加減最高です！ (2020年5月29日 11時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燕
| 作成日時：2019年9月30日 18時
