83 ページ36
「まぁわかってたとは思いますけど、そろそろ戦争が始まります」
朝、訓練場に呼び出されたので早めに向かうと幹部の皆さんが朝礼のようなことをしている真っ只中
グルッペンさんやエミさん等はおらず集まっているのは戦闘員の幹部だけで、前に立ってトントンさんが今後の方針について軽く伝えているようだった。
終わるまで訓練場の端で待っていたら、ピリッとした空気から皆さんの笑い声が響き渡る談笑モードに移行したタイミングでショッピさんがこちらに来てくれた。
彼はこちらに来るなり口を開き…そして冒頭に戻る。
「それに伴い、これから軍事強化及び仕上げを行なっていくことになります。上級兵は合同訓練の増枠、中級兵については上官の指導、下級兵は戦争時の補給訓練などです。」
「なので今日はこれから始まる幹部間での情報共有後、俺らは中級兵舎に行って、Aの指導を俺が見守っとくことになりました。」
淡々とした声で、スラスラと言葉を並べるショッピさん
あまりにもスムーズに伝えられたのでスルーしそうになったが異議がある。
「え？でもさっきトントンさんはショッピさんの指導を私が見学する形にって「なんか言いました？」
にっこりと、しかし声は至極冷静に私の言葉を断ち切った上司
小さく舌打ちして「聞いとったんかいな」と愚痴をこぼした(それも聞こえてます)後、彼は気を取り直したようにまた爽やかに笑った、
嫌な予感がする
「ちゃいますやん、エミさんが言っとったようにな？Aにはやく"教える側"の体験をさせたかった上司としての優しさやん。」
良い感じの御託を並べているが、彼の顔には隠すこともせず「サボりたい」と書かれている。
「今日はずぅっと一緒におるから間違ったこと言ったらすぐ止めたるし、」
ここで綺麗な弧を描いていた瞳が開く
いつも通りの藤色だった
「やれ」
「…了解です」
ここは軍隊、上司の命令は絶対
前の世界で私は後輩に敬意を払われない先輩だった
だらだらと流れる不安の汗
指導とか出来るのだろうか
「アンタ中級通らずに上級いったんですよね？認知度無いし女やからって舐められんようにな」
「こういうのは最初が肝心やから、しっかり上下関係意識して振る舞うように」
「まかしてくださいよ！」
テンションだけでもあげようと、腕をぐるぐると回しながら景気良く返事をするとそれを見透かしたようにクスクスと笑われた
「声震えとるやん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
燕(プロフ) - マシュマロさん» そのコメントめちゃくちゃ嬉しいです…完結してナンボだと思っているので終わらせられてよかったです。コメントありがとうございました (2020年6月13日 8時) (
レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ(プロフ) - タイトル回収がこう言う形で来るとは思わなくてめっちゃ感動しました！連載お疲れ様でした (2020年6月10日 18時) (レス) id: f608f5e23a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 楽しみにしてます！ (2020年6月5日 12時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ゆんさん» 了解です！塩ですね笑塩加減（？）喜んで頂けて何よりです笑ページの都合上次作での掲載になりますご了承ください。コメントありがとうございました！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 返信ありがとうございます！主人公が小さくなったとかどうでしょう？細かくて申し訳ないんですが軍パロの方のshpさんは本編ぐらいの塩でお願いします！塩加減最高です！ (2020年5月29日 11時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燕
| 作成日時：2019年9月30日 18時
