70 ページ23
「ま、Aちゃん次第ってことやね。」
話を振られたオスマンが腕を組みながら椅子にもたれかかる。俺もそれに倣った。
「そか。」
「チーノ、弁明いいですか？」
気まずい静けさが少し続いた後、チーノの手が恐る恐るあがる。
アイツは未だにロボロに銃を向けられていて、一人だけ違う緊張感を持っていた。冷汗か脂汗か、とりあえず汗がアイツの顔の輪郭をなぞって落ちる。
戦々恐々とするチーノに思わず顔がニヤつくと同時にコネシマも大爆笑していてある程度空気が絆されると、死にそうな男は水を得た魚のように身振り手振りを付け始めた
「違うんやって！俺が政治部の動きに気付き、爺達をうまく丸め込みながらAさんの成長段階に合わせて送り込む奴選んでたからあの子は今も健在なんです！つまり俺恩人！」
「俺が介入してなかったら最初から今戦ってるような強いのぶつけられて死んでたって！」
「の割にはボマーの時は大分弱いの送り込んでたな？」
「いやAさんの性格やったらなんや空いた時間にすぐ街行くんちゃうかなって思っとったから…。」
しどろもどろになるチーノにフフッとショッピくんが小さく笑った。一枚噛んどったな
「成長段階に合わせてってことは、ボマーと今回だけちゃうんか？」
「政治部から俺に報告来てる奴だけであと5人はおったで。うまく対処しとったみたいやな。」
「この前の暴漢騒ぎは？」
「アレは俺無関係です。」
で！、とチーノが言葉を続けた。胡散臭い瓶底眼鏡をクイッとあげる。似合ってへんぞ
「これ一番褒めて欲しいんやけど、今回で多分政治部からの干渉は最後や。しばらくは無い。」
「ほう？」
グルッペンが赤い目を細めた
「予算をね、うまぁく使い切ったんすよ。せやから来年度予算案が通って実際に支給されるされるまでは多分何も雇えへん。アイツらが身銭切る言うんやったら別やけど。」
「つまるところ、それまでにAさんに功績作って貰って、それを祭り上げれば俺らの勝ち。」
どお？！どうです！？ボーナスチャンス俺にもあるんちゃう？！と食い気味になるチーノ
その辺の管理"も"しているトントンが面倒臭そうにグルッペンを見る。小さく何か言ったグルッペンに項垂れたあたり、GOサイン出たな。
ロボロが残念そうに銃を置いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
燕(プロフ) - マシュマロさん» そのコメントめちゃくちゃ嬉しいです…完結してナンボだと思っているので終わらせられてよかったです。コメントありがとうございました (2020年6月13日 8時) (
レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ(プロフ) - タイトル回収がこう言う形で来るとは思わなくてめっちゃ感動しました！連載お疲れ様でした (2020年6月10日 18時) (レス) id: f608f5e23a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 楽しみにしてます！ (2020年6月5日 12時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ゆんさん» 了解です！塩ですね笑塩加減（？）喜んで頂けて何よりです笑ページの都合上次作での掲載になりますご了承ください。コメントありがとうございました！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 燕さん» 返信ありがとうございます！主人公が小さくなったとかどうでしょう？細かくて申し訳ないんですが軍パロの方のshpさんは本編ぐらいの塩でお願いします！塩加減最高です！ (2020年5月29日 11時) (レス) id: a1b841625a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燕
| 作成日時：2019年9月30日 18時
