【d!】主役は私と言いたい所だが、

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-kn視点



「シンマッ〜〜〜〜〜！！なぐさめてや！！！」


幹部専用の休憩所でシャオロンと寛いでいると、真上からゾムが飛びついてきた。


「ウオオオォオ！？！？？」


張り付いてくるゾムをどかしながら上を見ると蓋が外されたダクト、こんなとこに椅子置くな！

「突然なんやねん…。」



「…ふられてん…。」

小声で伝えてくるゾムの声は沈んでいた。


珍しいな、

ゾムは役職柄幹部という立場を伏せて暮らしているが、整った顔立ちと人懐っこさから女に振られることなんて滅多になかった。



「というかゾムお前…こんな時に女と連絡取ってたんかい！」

「…なぁ、ソレってAちゃんのこと？」

それとなく聞いてくるシャオロンの声に肩がピクリと動くミドリムシ
どうやらビンゴだったようだ。

A…？ということは、

「引き抜きのことかよ〜！」

バンバンと背中をたたいてやると痛いわ、とだけ言われる。
本調子では無いな、コレは。うん。

「え〜オレもAちゃんはゾムんとこ向きやと思っててんけどなぁ。」

「一応理由はちゃんとあってんけど、なぁ〜…。絶対めっちゃ強くなるで。」

ミドリムシはもぞもぞと動き、近くにあった椅子を引きずってきて座る。

「なんか、俺が見つけたのに取られたみたいな気持ちになるわ。」

悔しいー！と言いながら伸びしてるゾムのところに大先生が寄ってきた。

「なになに？三角関係な感じ？」

「ちゃうわ！」

大先生やシャオロンと下らない話を始め、次第に明るくなっていった雰囲気の中ケラケラ笑うゾムを見て思う。

あの模擬戦の時のショッピくんの顔も中々えぐかったな。

まぁ、俺以外は分からんかったろうけど。

　

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