17 ページ17
今日は兄さんと全体の流れを見るために軽く見学ついでに訓練をするはずだったのだが、少し体を動かし始めた私を見てショッピさんが眉をひそめた。
「新人の、」
といってこちらを見る、そして後ろも見ずに歩き出したので慌ててついていった。
「で、この現状をトリッパーサンはどのように捉えてるんですかねえ？」
「アッ、チョッそれ以上はスジが！スジが！」
少し緩む彼の猛攻。
彼の仕事部屋で、現在何故か前屈をさせられている。
わぁフカフカな赤カーペットさんお久しぶりです。
おかしいなぁ、あんまりかかわることが無かったから上手くやれてくかちょっと心配までしてたのに、意外と距離の詰め方がゾムさんタイプなのか「で？」なぁ…。
思案に暮れているとクールにお声がかかる。抑揚がない、怖い。
「夢長いな？みたいな…？アッ死ぬ！痛い！痛いです！」
「アンタほんまにその思考回路で生きとんの？おめでたいやっちゃな」
「はひ…」
じわじわと潰されていった体が解放される。
ショッピさんはすくっと起き上がると放心状態で未だ立ち上がれない私をドライな表情で見下したまま値踏みするように言った。
「かんっぜんに、オーバーワーク。体の動かし方から見て全体的に損傷が激しい。あの状況から脱したかったのは分からんくもないけど、短期間に筋肉つけ過ぎ」
「おまけに最後の方無理やりゾムさん意識した動き方したやろ？もう重心めちゃくちゃやで」
「あ、あのビデオも見させてもらいましたけど、あのサイズの男を投げ飛ばす気力あるんやったら足ひっかけて転がして首でも踏んだほうが効率的です」
「動き方は多様でしたけど、思考パターンが脳筋」
「先輩達から貰ったメニュー、規定回数以上やってましたね？」
「やることやるんはいいけど、言いつけも守れんような奴教育する立場にもなってください」
「ひぇ…」
「奇声あげる余裕はあるんやな？」
伏目がちな紫色の瞳が光を反射させながらギロリとこちらを見る、そこに写っていたのは涙目な私の顔だった。
余裕はないです。
回数も守らなかったです。
すいませんでした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 814人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Aya(プロフ) - ボマー！？お前性格イケメンかよ！？多分任務失敗したら消されるからの自爆だろ!!!任務より自分の気に入った相手優先とかヤバい(途中までしか見てない人の勝手な感想) (2021年6月8日 3時) (
レス) id: b462e5db2b (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - ROM専さん» 勢いの良さに笑っちゃいました…！ありがとうございます（？） (2019年9月26日 7時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
ROM専(プロフ) - mnちゃああああああああああ (2019年9月25日 20時) (レス) id: 19a3a955e7 (このIDを非表示/違反報告)
燕(プロフ) - にーたさん» 周りに説明する時は丁寧だけど胸中ではズバッと決まってそうなのでこういう表現にしました！色々考えた結果の文字数なので刺さったなら嬉しいです！コメありがとうございました！ (2019年9月22日 10時) (レス) id: 2e704aa56d (このIDを非表示/違反報告)
にーた(プロフ) - 46の一文に痺れました。語らないでズバッと切るところが最高にカッコいいです。 (2019年9月21日 23時) (レス) id: 8f97026b0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燕
| 作成日時：2019年8月23日 19時
