＊5＊ ページ14
「‥悠ちゃんのこと、いつも頼りにしてたよ」
「ホント？なら、大成功だな」
「でも‥、‥。ううん。どんな悠ちゃんも、私‥好きだったよ」
「‥‥ん。Aなら、そう言ってくれるよな」
だよなー、って目を伏せる。
同じ年なのにずっと大人な悠ちゃんが眩しかった。
守られてぬくぬくいたから、大事なことを見落としてしまった。
‥でもね、時々。
ほんのすこーしだけ、遠く感じたこともあったんだ。
それでも、悠ちゃんの優しさとぬくもりに包まれれば気にならなくなって。
「Aの想いも気持ちも全部伝わってたのに。やっぱりどっかで怖くてさ」
「‥怖い？」
「ん。この先ずっと一緒にいてもらえる自信、無かったから」
「‥‥」
「どうしたって手放したくなかったのに。怖くて、不安で」
「‥‥っ」
「仕事の忙しさもあって、ツラくて。ずっとそんな気持ちのままいるのが苦しくなって」
『距離を置こう』
あの日、そう呟いた悠ちゃん。
知らなかった。
悠ちゃんがそんなに苦しんでいたなんて。
言葉が出ない。
「まさかあのままになると思わなかったけど」
自嘲気味な声に、俯いていた顔を上げる。
‥‥え？
「自信がついたら、迎えに行くつもりだった」
「え‥‥っ、、」
「でも、Aもうどこにもいなくて。連絡先も変わってるみたいだし」
「‥だっ‥て、あの部屋にいるのは、どうしても出来なくて」
「わかってる。俺の言葉が足りなかったせい」
「ちが‥、あの、私が‥‥。私、の‥勘違いだったの？」
週末の夜、悠ちゃんから電話が来た。
珍しく早い時間だったのを覚えてる。
でもその後のことは、実はあんまり覚えてなくて。
悠ちゃんとはもう一緒にいられないんだって、それだけ分かって、
それしか分からなくて。
電話を切った後、出続ける涙をどこか人ごとのように感じてた。
「言ってないことばっかりだって、言ったでしょ」
「でも‥」
「ちゃんと、先のこと。約束できなかった俺が悪いの」
「‥そんな」
「Aが幸せになれるなら、なんて都合いいことばっか考えて本気で追いかけなかった。
探す術はあったはずなのに」
それは私も同じ。
諦めきれないのに、諦めたふりして逃げてた。
「ずっと後悔してた。だから、今度はちゃんと伝えようって決めたんだ」
「‥‥？」
「A‥‥。好きだよ」
「‥‥‥っ！？」
「俺と、もう一度付き合ってほしい」
‥‥‥‥え？
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ki-bou(プロフ) - みいさん» みいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです。癒やされたい自分の願望で書いておりますが(笑)、またよければいらしてくださいね♪ (2021年10月17日 16時) (
レス) id: a357d9e966 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしていました！智くんの柔らかい感じが本当に好きです！癒しをありがとうございます！また、更新楽しみに頑張ります！ (2021年10月17日 12時) (レス) @page48 id: a71a0c3a62 (このIDを非表示/違反報告)
ki-bou(プロフ) - しまかわさん» しまかわさん、コメントありがとうございます！お言葉励みになります。少しでも楽しんでいただけるように、これからも書いていきますね♪ (2021年10月2日 17時) (レス) id: 51a6190355 (このIDを非表示/違反報告)
しまかわ(プロフ) - お待ちしてました！が、ご自分のペースでいいと思います。自由に書いて、見たい人が見に来るところだと思うので、お気になさらずに…。変わらず、智くんの話を読んで、楽しく想像させてもらいます😃 (2021年10月2日 10時) (レス) @page44 id: 5f6e5bb18d (このIDを非表示/違反報告)
るーちゃぴ(プロフ) - ki-bouさん» 応援しております！！！頑張ってください！！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 9a982c6c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2020年1月26日 8時
