＊4＊ ページ13
「…返してくれてたよ、ずっと。‥気付かなかった？」
「‥‥え？」
「おはようも、ただいまも、おやすみも。全部、あの時俺の支えだった」
「‥‥ただのあいさつだよ？」
「それでも、Aからのはなんだって、いつだって俺の支えなの」
支え、になれてたの？私が？
毎日必死で過ごしていたあの頃。
朝と帰りと寝る前が唯一、悠ちゃんと繋がれる時間で。
私以上に忙しい悠ちゃんは、おやすみメールでさえ会社で見ていたことを、後から知ったんだ。
「今日も無事に過ごせたんだなって。ゆっくり眠れてるかなって、寝顔思い浮かべてさ。
そしたらすっげぇ癒されてた」
「知らなかった‥」
「言ってないもん(笑)」
気持ち悪いって思われそうでさ、っておでこを掌でこすってる。
照れてる？
その仕草、懐かしいね。
‥でも、それって。
「Aには言わないことばっかだったな」
「え？」
「あ、隠し事とかじゃないよ？」
「ふふっ、うん。それはわかるよ」
「‥‥そこまではっきり言われると複雑」
「‥え？‥っと、悪い意味じゃなくて…」
「わかってる。信じてくれてたんでしょ？」
うん。
悠ちゃんはいつもまっすぐ私を見てくれていたもの。
その瞳からも、繋いだ指先からも、一個も嘘は感じなかったよ。
「俺、実はクモが苦手なの。あと、ゴキブリも」
「‥えぇっ！そうなの？」
「ははっ、予想通りの反応」
「だって‥、え？本当に？」
急なカミングアウトにも、内容にもびっくり。
家に出たとき、平然と退治してくれてたのに？
「怖くて手が震えてたの、見られなくてよかった」
全然気付かなかった。
え？私、悠ちゃんのことちゃんと見てなかったの？
「あと、Aが起きるまでずっと寝顔眺めてたり。料理してるとこ、こっそり見てたり」
「えっ？！いつ？いつのこと？」
「さぁ、いつでしょう(笑)」
「悠ちゃん？！」
「あ、その顔も好き」
「‥‥もうっ」
目をくしゃっとさせて楽しそうに笑う悠ちゃん。
‥こっちは恥ずかしいんですけど。
「‥‥Aの前では、カッコいいヤツでいたかったんだ」
「‥え‥？」
「ずっと頼られる存在でいたかった」
懐かしむような、切ないような、そんな目で小さく笑う。
私が知らない悠ちゃんが、そこにはいた。
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ki-bou(プロフ) - みいさん» みいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです。癒やされたい自分の願望で書いておりますが(笑)、またよければいらしてくださいね♪ (2021年10月17日 16時) (
レス) id: a357d9e966 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしていました！智くんの柔らかい感じが本当に好きです！癒しをありがとうございます！また、更新楽しみに頑張ります！ (2021年10月17日 12時) (レス) @page48 id: a71a0c3a62 (このIDを非表示/違反報告)
ki-bou(プロフ) - しまかわさん» しまかわさん、コメントありがとうございます！お言葉励みになります。少しでも楽しんでいただけるように、これからも書いていきますね♪ (2021年10月2日 17時) (レス) id: 51a6190355 (このIDを非表示/違反報告)
しまかわ(プロフ) - お待ちしてました！が、ご自分のペースでいいと思います。自由に書いて、見たい人が見に来るところだと思うので、お気になさらずに…。変わらず、智くんの話を読んで、楽しく想像させてもらいます😃 (2021年10月2日 10時) (レス) @page44 id: 5f6e5bb18d (このIDを非表示/違反報告)
るーちゃぴ(プロフ) - ki-bouさん» 応援しております！！！頑張ってください！！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 9a982c6c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2020年1月26日 8時
