＊3＊ ページ12
「A、ちゃんに、、ずっと‥会って話したかった」
「‥悠ちゃん」
「懐かしいな、その呼び方」
「あっ‥ごめん」
「いーよ。うれしい」
「‥ふふっ、うん」
この感じ懐かしい。
ほわんとして温かくてまったりしてる雰囲気。
‥悠ちゃんとだから出来る空気感みたいなのが今もあるんだって、何だかうれしくて、さっきまでの緊張も薄れちゃった。
魔法使いみたいだね、なんて昔言ったことを思い出す。
いつもその温かさと言葉に包まれてたから。
いつのまにかサクヤくんはいなくなってて、
カウンターにその背中を見つける。
さすが気遣いやさん。
悠ちゃんに向かいの席をすすめると、ふわっと笑った。
「‥俺も、呼んでいい？」
「‥うん‥？」
「A‥、って。あの頃みたいに呼びたい」
ダメ？って首を傾げてのぞき込まれる。
同じ年のはずなのに、なんだろうかこの可愛さは。
「A」
「‥なあに？悠ちゃん」
呼び方ひとつであの頃に戻れる。
見つめられて照れちゃって、でも優しい瞳が大好きで。
横顔をずっと見てたっけ。
今はもう、ちゃんと正面から見られる。
そこに過ぎた時間を感じた。
「ずっと謝りたかったんだ。‥A、本当にごめんね」
「‥‥悠ちゃん‥」
痛そうな顔をする悠ちゃん。
‥謝るのは私の方だよ。
いつだって悠ちゃんはその優しさも愛情も、ずっと向けていてくれた。
私はそれを当たり前のように受け取ってて。
無くなって初めて、それがどれだけ私を支えていてくれたか知ったんだ。
「悠ちゃんは何も悪くないよ」
そう。私がもっと早く気付いてたら。
悠ちゃんのことをもっと‥。
「ごめんなさいっ。悠ちゃんのこと、大事に出来なかった」
「‥‥俺、Aに謝られることなんてないよ」
「ううん。‥悠ちゃんからもらうばっかりで、私何も返せなかったから」
もっと、出来ることがあったと思う。
あの時も、あの朝も、あの日だって、私がきちんと想いを返せていたらって、
悠ちゃんと別れてから何度も思った。
自分のことで精いっぱいだった頃、それでも出来たことがあるんじゃないかなって。
そしたらずっと、あの恋を守れたんじゃないかなって。
‥‥そっか。私の後悔は、ずっとそこだったんだ。
大事な人を、ちゃんと大事に出来なかった。
大好きな人を手放してしまった。
向き合えば、もっと違っていたのかもしれない、のに。
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ki-bou(プロフ) - みいさん» みいさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけてうれしいです。癒やされたい自分の願望で書いておりますが(笑)、またよければいらしてくださいね♪ (2021年10月17日 16時) (
レス) id: a357d9e966 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみにしていました！智くんの柔らかい感じが本当に好きです！癒しをありがとうございます！また、更新楽しみに頑張ります！ (2021年10月17日 12時) (レス) @page48 id: a71a0c3a62 (このIDを非表示/違反報告)
ki-bou(プロフ) - しまかわさん» しまかわさん、コメントありがとうございます！お言葉励みになります。少しでも楽しんでいただけるように、これからも書いていきますね♪ (2021年10月2日 17時) (レス) id: 51a6190355 (このIDを非表示/違反報告)
しまかわ(プロフ) - お待ちしてました！が、ご自分のペースでいいと思います。自由に書いて、見たい人が見に来るところだと思うので、お気になさらずに…。変わらず、智くんの話を読んで、楽しく想像させてもらいます😃 (2021年10月2日 10時) (レス) @page44 id: 5f6e5bb18d (このIDを非表示/違反報告)
るーちゃぴ(プロフ) - ki-bouさん» 応援しております！！！頑張ってください！！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: 9a982c6c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2020年1月26日 8時
