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「ねー、さとしくん」
麻耶がなにやらおねだり。
するとおーちゃんは両腕に子どもたちをぶら下げて走ってく。
麻耶も龍生もきゃっきゃっと大はしゃぎ。
あんなに細いのに、やっぱり男の人なんだなぁ。
あんなこと、父親にしてもらったことないかも。
私にはできないからなぁ。
ほんのちょっと、また胸の辺りがきゅっとする。
「ママー！」
俯いたら、麻耶に呼ばれた。
顔を上げると、3人がこっちを見ている。
おーちゃんが私の顔をじっと見て、数秒目が合ったと思ったら
「・・えっ」
ニコッと微笑んだ。
思わず顔が赤くなってしまう。
ごまかすように慌てて子どもたちに手を振る。
まだまだ明るいけれど、もうすぐ4時。
さっきまで暑かったのに、風もひんやりしてだいぶ涼しくなってきた。
あの後、子どもたちを両腕にぶら下げて行き着いた先はブランコ。
「ちょっと乗ってもいい？」
子どもたちに断って小さめのブランコに腰掛ける。
懐かしいなぁ・・・
ぽつんとつぶやくと、どこか遠くを見るような目をしている。
子どもの頃を思い出してる？
でも懐かしいってよりも、ほんのちょっと切なげな表情に見えた。
「ほらほら、どう？」
数回漕いだだけで高くなったブランコ。
子どもたちにちょっぴり自慢げに言うおーちゃんに、もうさっきの影はない。
「すごーい！わたしもやりたい！」
子どもたちにせかされてひょいっと飛び降りてから、
これは真似しちゃだめね、って笑ってる。
どれが本当のおーちゃん？
表情がくるくる変わる。
「さとしくんおしてー！」
麻耶が催促してる。
自分で漕げるのに・・・甘えてるなぁ。
もうすっかり打ち解けてる子どもたち。
ほんとにすごいなぁ。
私ももう少しうまく話したいけど・・。
「おっ、まやちゃん。すっごいね！」
「あー、たーちゃんも」
「手離しちゃだめだよ、それ」
高く上がるブランコに、太陽の光が反射してる。
その光でおーちゃんの髪の毛もキラキラしているのを、何だか信じられない気持ちで眺めてた。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
