カテイノ事情＊1＊ ページ46
明日、明日こそと思いながら、加藤さんとは会えないまま時間だけが過ぎていく。
智くんが公園に来たらしい日から、1ヵ月。
テレビではライブツアーの初日を迎えたと取り上げられていた。
ますます忙しくなるね。
額に光る汗、うれしそうな笑顔。
相変わらずステキだなぁ・・。
「まやもいきたいー！」
「おーちゃんっ、あいばくんっ」
「かっこいいねー」
ご飯もそこそこにテレビにくぎ付けな2人。
行きたかったけど、こればっかりはねぇ・・。
でも、今回はよかったのかも。
遠い世界の人だって分かってる。
きらきらした空間でたくさんの声援を受けて、歌って踊って。
自分とは全く違う世界に生きている人。
それを目の当たりにしたら、どうしたって思い知ってしまう。
ほんの一時の気まぐれだって。
あの宝物みたいな時間まで、色あせそうで怖い。
智くんは約束を守ってくれる、とっても優しい人だけど。
おーちゃんはみんなのアイドル。
たった一人に構う暇はないもん、ね。
「ままー、こうえんいこーよー」
「いこーっいこーっ！」
試作品作りもひと段落して、週末ゆっくり休めるようになった。
さとしくんがくるかも、って麻耶が言い出して、毎週公園通い。
銀杏の葉っぱがはらはらと舞い落ちてくる。
到着すると必ず、入り口や砂場の周りを見て回る麻耶。
何もないと分かるとちょっとがっかりして。
でも、すぐに復活して遊びだす。
・・切り替えの早さがうらやましい。
自転車もすっかり乗れるようになった。
「さとしくんびっくりするかな？」
『乗れるようになったら見せてね』
って約束したらしい。
だからがんばるの！って、暗くなるまで練習してたっけ。
たった2日のことなのに。
あの時の智くんが、私たちの支えになってる。
「できたーっ！ままーみてー」
龍生がうれしそうに呼ぶ。
砂場には砂のお城？
バケツで固めた砂が何段にも重なってる。
「すごいねっ。上手っ」
「さとしくんとつくったのー」
「そっか・・・おぼえてたんだね」
ほら、龍生のことも。
智くんの存在が支えになって、励ましてくれてるんだね。
だから、やっぱりこのままでいいかなぁ。
そしたらずっと思い続けていられるもん。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
