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「じゃあ、ママはなんてお名前なの？」
麻耶にそう聞いている彼。
「楠本Aです」
はい、よく出来ました。
「Aちゃん？かわいい名前だね」
名前だけは、なんて返しそうになって苦笑いする。
すると彼もふわんとやわらかく笑った。
「あの、長い時間つき合わせてしまって・・・時間大丈夫ですか？」
始めに聞くべきだったことを、今更と思いながら聞いてみる。
「あー、うん。４時まで戻ればいい・・・はず？」
次は夜の・・・大丈夫。うんうんと一人で納得して頷いている。
夜のシーンの撮影とか？
うん、聞かなかったことにしよう。
「まやちゃんたちはまだ時間あるの？パパ待ってるんじゃない？」
何気なく言ったおーちゃんの言葉に、一瞬で空気が凍りつく。
龍生でさえも私の雰囲気を察して黙り込んだ。
今日は仕事で、
と言おうとした私の声をさえぎって、麻耶が先に言ってしまう。
「パパはおうちにいないの。べつのおうちにいるんだよ」
「え？別の・・？」
麻耶を見て、そのまま目線を私に向ける。
えへっ。
笑ってごまかそうとしたけれど、まぁ上手く行くはずもなく。
ごめんねと俯くおーちゃん。
気にしてほしくなくて、仕方なく簡単に事情を説明する。
「戸籍上は父親ですけど・・・。
家庭、というか夫婦の事情で別居中で。この子たちは詳しく知らないので」
できるだけ明るく話したつもりだけど、大ちゃんはまだちょっと申し訳ないって顔をしている。
ほら、きれいな眉毛がきれいに下がっているし。
「あ、今のオフレコでお願いしますねー」
ふざけて言うとようやく、ふふって笑ってくれた。
「じゃあ、今日だけ俺がパパね。
ほら、まやちゃんとたーちゃん、行くよ」
それまでの重い雰囲気がいっきに明るくなった。
口数は多くないけど、一言ですっかり空気を変えてくれる。
やっぱりすごいなぁ。
子どもたちの手を引いて歩くおーちゃんに、心がぽかぽか。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
