＊3＊ ページ29
「んふふっ。そんなところもAちゃんらしいわね」
「はぁ・・」
「あなたが独身になったって知ったら、きっと大変ね」
「そんなこと無いですよ。誰も興味ないですって」
あり得ないこと言うから思いっきり否定すると。
わかってないわねぇ、って呆れたように言われた。
「まぁ、そのうちわかるかな」
「・・わからないと思います(笑)」
「そういうことにしといてあげる(笑)」
くすくす笑い合ってると、何だか肩の力が抜けた。
由紀さんは本当にすごい人だなぁ。
さりげなく不安を包んでくれて、心を軽くしてくれる。
だから惹かれるのかな。人として。
私もいつか、あんな風になれたらいいな。
ぽんぽんと肩を叩いて、先に戻っていく後姿にそう思った。
よしっ、まずは仕事しよっと。
そろそろ来週の日替わりを決めて、発注しなきゃ。
週末には栄養相談の予約も入ってたし、準備もあるし。
悩んでる暇はない、よね。
真夏の屋上から屋内に入ると、一瞬目の前が暗くなる。
ちょっと長居しすぎたかも。
いきなり動いたから立ちくらみがした。
階段の手すりに掴まってぎゅっと目をつぶる。
ぼやーんと聞こえなくなった音が戻ってくると、下から足音が聞こえた。
「大丈夫ですかっ？！」
「え？」
目を開けると、スーツ姿の男の人が慌ててる。
えーっと・・心配してくれてるのかな？
「大丈夫です。すみません」
勘違いさせちゃったみたい。
ぺこりと頭を下げて、塞いでいた場所を譲り階段を下りる。
「あのっ」
「・・はい？」
数段降りたところで、声を掛けられた。
振り向くとその人が近づいてくる。
「良かったら、これ。どうぞ」
差し出された手には、塩レモン味のアメ。
「あ・・・いいんですか？」
「糖分と塩分もあるから、ぜひ。
屋上すごく暑いし」
「ありがとうございます。頂きますね」
「はいっ」
社員さんが元気に過ごせるように考えるのが仕事なのに。
逆に心配されてしまった・・・。
だめだなぁってちょっと落ち込みながら、
でもその優しさに心が温かくなった。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
