また会える？＊1＊ ページ20
「考えてみたら、私たちの都合で・・・
子どもたちにたくさん我慢させちゃってるなって思って」
「うん」
「パパにしてほしいこと、私じゃ出来ないから」
「うん」
「時々考えちゃうんです」
「そっか」
頷きながら聞いてくれる智くんに安心して、ぽろぽろと不安が口から飛び出す。
「なーんて、ちょっと感傷的になっちゃいました」
空気が重くなってきて、慌てて茶化してみたけれど、智くんはちょっと笑っただけで。
「そんな無理して笑わなくていいよ」
静かで優しい声に包まれる。
「Aちゃんがんばってるよ。
きっと子どもたちにも伝わってるから」
だから大丈夫。
その言葉に目の奥がじんわりと熱くなった。
・・・私、誰かにそう言ってもらいたかったんだ。
ぽんぽん、って頭を撫でてくれる温かい手に、こらえ切れなくなった雫が零れ落ちた。
慌てて立ててた膝に顔を埋める。
「大丈夫」
優しい声と温かい手に、ふんわり心が包まれる。
涙が止まるまで、智くんは何も言わずにそばにいてくれた。
それは穏やかで温かな時間だった。
「すみません・・・ありがとう、ございました」
すごく安心できたけれど、涙が乾いたら途端に恥ずかしくなる。
俯いた顔を上げられず、やっとのことで口を開いた。
「どういたしまして？」
なぜか疑問系の返事に思わず笑いがもれる。
「お、笑った」
よかった、とホッとしたように言われて、その温かさにつられて顔を上げられた。
冷たいお茶とクッキーを出して、のんびり休憩。
智くんはちらっと時計を確認すると、うぅーんと伸びをする。
「そろそろ時間かな」
「あ・・、お仕事？ですよね」
残念そうに言う智くん。
私まで寂しい気持ちになってきちゃう。
「そう。夕方からテレビのオシゴト」
「日曜日にお疲れ様です」
「Aちゃんもいつもお疲れ様」
「あ、いえ。その・・ありがとうございます」
言われ慣れてなくて、おかしな反応をしてしまう(笑)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
