＊5＊ ページ18
「怒ってんじゃねぇよ？うれしかったの。
これからは名前呼んでくれる？」
「・・・はい」
ふにゃんと音がしそうな笑顔。
『これから』が今日だけって分かるけど、その言葉がすごくうれしい。
「さっきさ、何かあった？」
ほかほかした気持ちがその言葉でさっと固まる。
「思いつめた顔してたから」
「いえ・・何も、大丈夫です」
本当に？って顔で見ている・・智くん。
「朝早かったから眠かっただけですよ(笑)」
「そっか・・」
「見ず知らずの方に心配かけてしまってすみません」
ほんの少し会っただけの私にも、智くんは本当に優しい。
でもそんなことを気にさせた自分が申し訳ない。
「本当に知らねーの？」
「え・・？」
・・まさか・・・言うの？
私の沈黙を肯定と取ったのか。
周りをチラッと確認すると、帽子とめがねを外した。
「大野 智って言います。一応テレビなんかにも出てるんだけど」
今頃ごめんねって額をぽりぽりして笑う。
本当に言うなんて・・・。
知らないって思われたよね？
今更、知ってるって言えない状況？
ファンだって知ったら身構えちゃう？
至近距離の笑顔にやられながらぐるぐる頭を悩ませてると。
「もしかして、知ってて気を使わせちゃった？
それとも本当に分かんねーのかな？」
うん、とも、ううん、とも返事できずにいると、
まぁどっちでもいいけど、と気の抜けるようなことを言う。
思わずガクッと傾きそうになる身体をなんとか支えて、智くんを見てしまう。
「まぁ、機会があったら見てみてね。
歌ったり踊ったりもたまにしてるから(笑)」
「・・・はい」
たまにって・・・この人、自分達の人気のすごさ分かってるのかな(笑)
ところでさぁ、って何でもないように話題を変えた智くん。
「Aちゃんたちは近くに住んでんの？」
「あ・・と、ここから歩いて10分くらいのところ、です」
自分たちのことなら、何とか答えられる。
「土日がお休み？いつも公園に来てるの？」
「はい。家だと子どもたちが退屈しちゃうので、どこかには行きますね」
って言っても公園か屋内の遊び場くらいだけどって笑ったら、
「まやちゃんもたーちゃんも元気だもんなぁ」
って笑ってる。
テレビではすごく遠い存在なのに・・・。
ここにいる智くんは自然で、暖かくて。
不安も戸惑いもふんわり包み込まれた気がした。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
