＊2＊ ページ15
食べるのが大好きな龍生はすでに2つ目を食べ始めている。
「たーちゃん、ゆっくり食べようか(笑)」
慌てて食べるからパンからレタスがはみ出てる。
それをパンに戻してあげながら、おーちゃんが笑った。
「さとしくん、おにぎりちょうだい」
麻耶はすっかりおーちゃんに甘えている。
「はい、どーぞ。って俺が作ったわけじゃないけどね」
おにぎりを手渡しながら、今度は麻耶の口元についているマヨネーズをティッシュで拭いてあげている。
そんな姿にほのぼのしていると、目の前に出されるサンドイッチ。
え？
サンドイッチから辿って顔を見てみると、
「Aちゃんも食べようよ」
ね？と差し出されたそれを受け取るとふわっと笑った。
突然呼ばれた名前にドキッとして、
目の前にあるきれいな手に更にばくばくして・・・
震える手でサンドイッチを握りしめた。
「ありがとう、ございます」
両手におにぎりとミニトマトを持った麻耶がそれを見て思いついたように口を開く。
「なんかね、パパがいるみたい」
「パパー」
「そう？うれしいなぁ」
子どもたちの言葉に本当にうれしそうなおーちゃん。
そう言えば家族でこんな風にご飯を食べることってあんまりなかったかもしれないなぁ。
夫はほとんど家に居なかったし・・・。
休みの日もみんなで出かけることも少なかった。
どれだけこの子たちは寂しい思いをしてきたんだろう？
そして、気付かないうちにそれを我慢させてしまっていたんだ。
気遣ってくれる優しさはうれしくもあるけれど、同時にそんな思いをさせていることに申し訳なくなる。
「・・ごめんね」
ぽつんっと口から出た言葉は、
麻耶たちに届く前に消えてしまうほど小さかった。
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ミホ(プロフ) - 美唯さん» 美唯さんありがとうございます♪またお待ちしてますね。 (2018年3月21日 17時) (
レス) id: e6b7e30dbe (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - また続き楽しみにしてます (2018年3月7日 1時) (レス) id: 9da5bd590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ki-bou | 作成日時：2017年1月7日 1時
