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26日目 ページ27

「いってらっしゃい!お仕事頑張ってね!」

『いってきます!まふくんも無理せず頑張ってねー!』






キスを交わして出ていくAの足音が聞こえなくなってから鍵を閉める。

いつものルーティン。







「んん…っよし」



背を伸ばすと背骨がぽきぽきと嫌な音を立てた。








現在8時

そらるさんが来るまでまだまだ時間がある。

二度寝しようかな…






「ベッド片付けなきゃだ」






寝室にそらるさんがはいることは無いけれど

枕元や乱れたシーツが昨日の惨状を物語っている。

流石にね、一応ね、マナーとしてね。

片付けなきゃだよね。








適当にティッシュやらを袋をかけたゴミ箱に投げ込んで、口を縛った。

あとはキッチンの大きいゴミ箱に投げ入れてしまえばいいだろう。







片付けを終えて、ゆるい部屋着のままベッドにもぐりこむ。




結局昨日はどうして泣いていたんだろう。

ぼんやりとAのことを思い出していた。






付き合っていたころはあんなに泣くことは無かったのに。

別れてはいるけどスキンシップはとっているし、特に何も変わっていないはずなのに

なにが悲しくてあんなに泣いているんだろう。








「…好きだよ、A」

















ぶわっ。

もしかしたらぞわっ、だったかもしれない。








言葉にするんじゃなかった。


全身の毛が 逆立ったような気分だ。







当たり前のことだった。

キスは毎日挨拶のようにしているし、昨日の夜のように互いを求めあうこともまだある。

もちろんAは可愛いし、つい甘やかしてしまいたくなる。





ただ寂しいと泣いて、すぐに拗ねてしまうから

まふまふとして活動するにも重荷になってしまったから

いい加減嫌気がさしてしまっただけだった。










「嘘でしょぉ…まだ好きなの、俺…」






Aに対しての恋愛感情はとっくに無くなって

落ち着いた家族愛に変化したものだと感じていたはずなのに。








家族に対して毎日付き合いたてのカップルみたいに愛をささやいたりしないでしょ。

それでもAは愛されたかった子だったから

僕とはペースが違くて

あの子は永遠に家族になってくれなくて





そう思っていたはずだった。









「俺クソ野郎だなぁ…」



今更、どうやって愛してるよって伝えればいいの?



















もう、僕たちの関係になにか肩書を付けるには




手遅れなのかもしれない。

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作品ジャンル:恋愛
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました!思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです! (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました!泣かせるぞ〜!と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました! (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涙靜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月6日 11時

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