10日目 ページ11
「ごめん96ちゃん」
「こちらこそごめんよ、ずーっとまふくんまふくん泣くから、一旦満足するまで泣かせようと思ったら止められんかったわ。」
「まじか、、」
96ちゃんが「まふくん来てるでー、Aお迎えやで」と
ずっとAの頭をなでるものの、Aは96ちゃんから離れようとしない。
よく見ると、96ちゃんの背中の服を握りしめる手がだんだんと緩んできていた。
「寝かせてから連れ帰るね」
「寝るん？まだぐずぐずに泣いてるけど」
Aは毎日未だに僕の腕枕で眠っている。
眠れないときは無理やり僕の手を自分の頭にのせて、無言で撫でろと催促をする。
この子は昔から、僕がなでていればすぐに眠るんだ。
証拠に
「ほら寝た」
「まふちゃんはAの魔法使いやなぁ！
＿＿＿もうちょっと早くAのこと見てあげられなかったん？」
「‥‥。」
鋭い声で、96ちゃんが俺から目を離さなかった。
見てたよずっと。
大切にしていたよ。
なかなか外に出づらくなってしまった俺に気を使って
お花見に行きたいと言い出せなかったのもちゃんと察して、夜桜を見に一緒に散歩に行ったし
帰りが遅くなりそうな日は、たまにちゃんと写真まで送っていた。
浮気の心配もなくなるように96ちゃんのこと紹介したし、
現に今日だって随分と仲良くなっていた96ちゃんと飲みに来ていたわけだし。
そこまで考えて、Aの頭をなでるのをやめた。
「見てたよちゃんと。」
「ならなんでAはこんなに泣いとるん。まふくんまだAが泣いてる理由わかっとらんのやろ。」
「っ僕の帰りが遅いからでしょ。」
「違うで。ん〜、多分、男にはわからん感情だわ」
Aももっとお話ししやんと伝わらんでー
96ちゃんの声が優しくなって、Aを哀しそうに見つめながら
僕に代わってAをなでていた。
「ごめんよまふくん、わしが口出すことじゃなかったわ。
A起きたら水飲ませたって。この子ずーっとお酒ばっかのんでおつまみもあんまり食べてない。」
ゆるりとAのうでから抜け出した96ちゃんと交代。
迷惑料として会計分を96ちゃんに渡し、Aの腕を自分の方に回す。
「A、気使わんで、わしに話したことちゃんとまふくんにも話すんやで」
『ん＿＿＿』
Aは、寝言か返事かわからない声を上げて僕の肩に顔を擦り付ける。
君は、まだ僕に何も話してくれないの？
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宵闇 ルア(プロフ) - もう一回見てみたんですけど、最後のかつて彼氏だった彼の声のところの後に出てきた人はまふくんじゃないかなって思ってます (2023年1月8日 22時) (
レス) @page41 id: d7473b096e (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - 見つけてくださって、ここまで見守ってくださって、本当にありがとうございました！思い出した頃にまた振り返っていただけたら嬉しいです！ (2022年12月6日 23時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
Ruriyuri - 私いろいろな界隈の小説を読んでいるのですが、とても久しぶりに心に来る小説を見付けました。本当に珍しいことでこのような小説に出会えてとても嬉しいです。とても感動しました。 (2022年12月5日 21時) (レス) @page41 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
涙靜(プロフ) - おみさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！泣かせるぞ〜！と思って書いてたので、本望です笑ありがとうございました！ (2022年12月1日 1時) (レス) id: 82f86f91ed (このIDを非表示/違反報告)
おみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！すごい泣きながら読みました (2022年11月30日 22時) (レス) @page41 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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