第21話 ページ22
あなたside
かれは今にも泣いてしまいそう
喉に当てられたナイフ
数々の攻撃性能力
さぞ、怖いことだろう
『…怪我、してるでしょ？』
恐怖の震えの中、立っているだけで厳しいのだろう
ナイフを当てる妖精がまふくんを乱暴に支えている
『おいで』
植物のゴーレムの葉を１枚ちぎりとる
｢動くな！｣
私へ放った、激しい炎
私がなにかするまでも無く、炎の鳥が全て食べて私を守ってくれる
｢っくそ！｣
ま｢…ぁ｣
まふくんを攻撃するための手が、全て発動される
『させるわけないでしょ』
まふくんの体ギリギリのところで既に、薄い結界を張っているのだ
アルファ如きの能力が、彼に当たるはずがない
ナイフだって同様だ
『まふくん、ちょっとじっとしててね』
ちぎりとった葉が、淡い緑色に光る蝶へと変化して、人差し指にとまる
回復とか、治療のための蝶だ
『行って』
ふわりと舞う蝶は
まふくんへ近づくにつれ
２匹、４匹、8匹と分裂する
｢なんだこれ…！！｣
怯えた妖精が、蝶に攻撃するが
するり、するりとかわしてしまう
ま｢A…？あ…｣
蝶は、まふくんの体に触れれば溶けるように消えてゆく
一匹、また一匹と消える度
まふくんは安心したのか、肩の力がぬけた
『お望み通り、ついて行ってあげるよ。ただし、まふくんになにかしたら…』
殺すから
まふくんを除いた、この場にいた全ての妖精の喉から
ひゅっ…と、空気が途切れる音がした
ま｢Aっ…待って！｣
『大丈夫。怖くないよ』
小指を絡め、合わない身長で額を合わせる
いい加減、妖精も邪魔をしてこない
『大丈夫だよ』
ゴーレムがみんな、心配そうに寄ってきた
『お前達にさみしいおもいはさせられないね』
一匹のゴーレムに手をかざすと
その1匹から光や木の枝になって解けていく
ま｢いいの？｣
『もともと、私が寂しいから作った子達だよ』
緩めた小指の周りに、細い金色の糸が1本舞っている
まふくんも、それに気がついた
『迷子に、なんないように魔法かけておくね』
それからすぐに、私は政府に捕まった
冷たくて、灰色で、硬い部屋
たった1人で、閉じ込められた
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あこ(プロフ) - 完結おめでとうございます。前々から涙靜さんの小説を拝見させていただいていました。美しい文章を書く方だな、と思いながら気がつけば、全ての作品に目を通して涙を流していました。また、戻ってきた時は読ませていただきます！お疲れ様でした！ (2017年9月24日 11時) (
レス) id: 5974906340 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - 完結おめでとうございます。引退されてしまうんですね。個人的に作品が大好きなのでまた復活してほしいですね……現実でも頑張ってください！戻ってきても良いんですよ！むしろm(( (2017年8月21日 12時) (レス) id: ef152f27b1 (このIDを非表示/違反報告)
雨理好(プロフ) - 完結おめでとうございます、少し寂しいようなお話とても素敵だったです。最高でした。お疲れ様でした (2017年7月17日 18時) (レス) id: 61675551e5 (このIDを非表示/違反報告)
朧桜 - 完結おめでとうございます!今回の作品も最高でした。また、涙靜さんの作品を読み返して、また沢山泣こうと思います!高校生活頑張って下さいね。 (2017年7月14日 2時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても良かったです！最高でした！もっとお話読みたかったです…今までお疲れ様でした！ (2017年7月13日 22時) (レス) id: 759715a7f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙靜
| 作成日時：2017年5月27日 20時
