入れ替わり? 3 ページ47
しばらく、仕方がないとはいえ、アクセルに扮するカーティスと一緒にいる事にした。
兄である、カーティスに扮するトール兄様は反対したが、現実に、カーティスとアクセルが二人並ぶ姿なんてほとんどない。
トール兄様に扮するラーズは問題ないが、ラーズに扮するアクセルは問題だ。
何というか、ラーズの威厳と言うか、立ち振る舞いと言うか、ラーズ像が崩れてしまう。
アクセル(カ)「それにしても、周囲から見れば、頼りにならないラーズ殿ですね」
A「アクセル、言葉は謹んで。ラーズの事は、お兄様に任せておけばいいのです」
カーティス(ト)「そうだな。其々の立場がある以上、変な言動は慎んでもらおうか?」
A「カーティスは、そんな言い方はしません!」
アクセル(カ)「そうですよ、トールギス様。僕の姿で変な言動と行動は止めて頂けますか」
アクセルに窘められるカーティス、という構図も頂けないのは事実だが、普段と同じ行動を取って貰わなければ困る。
A「……今日の執務は、如何するつもりですか?」
その一言に、全員ラーズ(アクセル)に視線が行く。
カーティス(ト)「僕とアクセル、…………
アクセル(カ)「何ですか、その妙な間は?」
トール(ラ)「カーティス、お前もその言い方はどうにかすべきじゃないのか?」
アクセル(カ)「おや? トールギス様にしては言い方が乱暴ではないですか?」
ラーズ(ア)「すみません。私に、ラーズ殿の代わりは出来ません!」
言葉使いが問題なのは、お兄様とラーズ。
お兄様は、ラーズ以外にお前とは言わない。
言葉使いさえどうにかなれば、ラーズは元々王族なので問題ない。
カーティスは、飄々した態度でないといけないが、お兄様がカーティスであると、気品が出てしまって、言葉使いの丁寧さに拍車がかかる。
一方のカーティスは、アクセルの雰囲気が壊れ、少し軽い感じが見てとれる。
年相応と言えば聞こえは良いが、違和感しかない。今までのアクセルが、自分に忠犬であったかがよく判る。
ただ、真面目になってくれれば問題ないのだが……。
そして問題のアクセル。
立場、雰囲気、言葉使い、全てが危険。
凛々しい雰囲気を持つはずが、少し情けない。
ラーズの代わりとなるには、不安要素が多い。黙って立っているだけと言う立場にもいかず、私と兄様は策を練るのだった。
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作者名:print11 | 作成日時:2018年11月22日 9時