十二騎士達の役目 18 ページ43
それからしばらくして、俺とトール、アクセルは、フィリア様の部屋を後にした。
ウェインは、そのままティアリスに捕まり、フィリア様の部屋に留まった。
次に向かう先はフィオナ様の元。
ユアンとフィルムがA様の元に行くと言っていたが、あの時会わなかったので、フィオナ様の元にいるのだろう。
トール「フィオ！」
フィオ「お兄様!!」
フィオナ様の側には、ユアンとフィムルだけだった。
トール「
フィオ「あの子達は、今はお昼寝中です」
フィオナ様の隣には、番犬と言う頼もしい二匹がいつもいる。それに、フィオナ様の特殊な性質もあってか、そこらの狼とは比べものにならないくらいに賢い。
ラーズ「そういえば、A様の所に行く予定だったのでは？」
フィム「似非神父がいたから、フィオナのとこ来た」
ラーズ「フィオナ様、だ」
フィムルはふてたまま何も言わないし、精神年齢がもの凄く幼い。
そのせいか、普段の言動・行動は、年下であるフィオナ様やユアンよりも幼く映る。
その原因の一端は、フィムルの過去にあり、今でこそまだ感情が見え始めているが、昔は人形そのものだった。
フィオ「ラー君、フィムちゃんは友達だから良いの！ ラー君だって、兄様の事を愛称で呼んでるわ！」
ラーズ「私の場合は使い分けておりますが、フィムルは……！」
トール「ラーズ」
それ以上は止めておけと、肩に手を置かれる。
ラーズ「しかし…………」
トール「フィム、今ならAは執務室に一人だろう。まぁ、ソルは一緒だと思うが？」
フィム「皇子、ほんと？」
グレンを呼び、直ぐにA様の部屋に行くよう促す。
こういう行動は、かなり早い。
ユアン「フィムルさん、行っちゃった」
トール「あの行動力を、普段から出して欲しいものだが……。フィオ」
フィオ「はい？」
トール「フィムの言葉使いは、正せる内に直す要に。ラーズとは違って、正式な場であの言葉使いは、古株の臣下達が憤る。カーティスもだが、アイツは時と場合はキチンと対応している」
フィオ「でも…………」
ラーズ「フィオナ様。今は、トールとA様がいるので、事が荒立っていないということを、心に止めて置いてください」
フィオ「……解りました」
たまに、フィオナ様の頭の上に獣の耳が見えるのは、疲れているせいだと思いたい。
トールと俺は、フィオナ様達とは別れ、執務室へと戻った。
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作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
