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十二騎士達の役目 17 ページ42

ティアリスの相変わらずの暴挙は、慣れたくも無いが、慣れてしまった。


ティアリス「あら、死神。私に何か言いたいことでも?」

ウェイン「何もありません……!」

トール「ティアリス……」


トールも呆れてしまっている。こういう輩は一人で十分だ。


ティアリス「殿下こそ、今日は忠犬は一緒ではないのですか?」

トール「アーネストなら、仕事を任せている。セレスとカルも一緒だ」

ティアリス「そうですか。なら、同志にも言うべきでは? と言っても、捕まらないでしょうけど」


勘がいい。
三人の名前が上がっただけで、何を指しているかが解っている。
頭の回転が速く、内容を的確に判っている騎士は、ティアリスを除けば、カルとカーティスだけであろう。一を教えて十を知るとは言ったものだ。


フィリー「ふふっ……! 私の部屋にこんなに人が集まるなんて、滅多にありませんね。それに、アクセルがA姉様と一緒でないのも初めて見ました」

アクセル「そう言えば、そうですね。いつもは、A様と一緒に訪ねていました、か……ら」

ティアリス「あら? 賢姫(けんき)様をだしに、尻尾はフィリー姫に会いにいらして?」

ラーズ「お前、心が狭くないか?」

ティアリス「フィリー姫を除けば、殿下、賢姫(けんき)様と同志以外に、親しく接する必要無くてよ?」


そこにフィオナ様の名前が上がらないのは、フィリア様を思ってか、はたまたフィリア至上主義のためか。

ティアリスに至っては、カーティスと違い女性特有と言うべきか。
苦言、助言をした所で、A様の所で言った状態だろう。アクセルの様に倍になって返ってくる事など想像し易い。


フィリー「ティアリス、私はウェインと仲良くして欲しいと思っているの。ティアリスが忙しい時、ウェインが……」

トール「待て、フィリー!」

ラーズ「お待ち下さい、フィリア様!」


その先は言ってはならない。
大げさかもしれないが、ウェインの生死に関わる。
大体の事は把握しているティアリスでも、フィリア様の口から聞くのは嫌なのだろう。
見てはいけないものを見た気分だ。


ティアリス「フィリー姫、死神が?」

フィリー「えっと……」

トール「ティアリス、止めてやれ」

ティアリス「まぁ、良いですわ。フィリー姫の困った顔も、愛らしくて好きですが、申し訳ありません」


素直に謝る分、カーティスよりはマシだ。
ティアリスが、フィリア様を人一倍大事にしているからこその行動。

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作者名:print11 | 作成日時:2018年11月22日 9時

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